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不動産鑑定士 監修 竹内英二
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マンションの売却を検討するとき、「できるだけ高く、良いタイミングで売りたい」と思いませんか。
良いタイミングというのは確かにあります。
マンション売却において、「築年数」は売却タイミングを計るひとつの指標にすると良いでしょう。
一般論としては、「マンションは築10年もしくは築15年以内であれば高く売れると言われることが多いです。
でも、15年はあっという間です。もう過ぎてしまった!という人もいらっしゃるでしょう。
築15年以上経ったあとでも、良い売却タイミングの選択肢がないと困りますよね。
この記事では次のような悩みをお持ちの人に向けて、マンション売却は築年数がどれくらいだと良いのかについて、誰にでもわかるように順を追って説明していきます。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- マンション売却の築年数は何年目くらいが目安なの?
- ベストな築年数を逃したらもうチャンスはないの?
- 大規模修繕の前と後では、どっちの売却がお得なの?
築15年以内という一般論的な結論はもちろん、そのほか、プロの目線で築15年以上における売却に適した築年数について包み隠さず解説します。
この記事を読めば、マンション売却の適切な築年数についてわかるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
築年数とマンション売却価格の関係
一体、どれくらいの築年数までであればマンション価格は下がらないのでしょうか。
結論から言うと、マンション価格は初年度から築年数を追うごとに下がり続けます。
もっと言うと、「いつまでに売却すればベストタイミングなのか」に対する築年数の答えはありません。
公益財団法人東日本不動産流通機構によると、2017年首都圏の築年数別中古マンションにおける築年数ごとの平均価格は以下のようになっています。
上のグラフを見ると、実際にマンション価格は築年数を追うごとに下がっていることが分かります。
価格が下がる原因は、建物価格が築年数を追うごとに下落するためです。
マンション価格は最終的に土地値まで下がる
ただ、マンション価格は「建物だけの価格」ではありません。マンション価格には「土地価格」も含まれます。
築年数がどんなに経過したとしても、マンション価格が最終的にゼロになることはありません。
築40年程度になるとマンション価格は下げ止まり、ほぼ土地値で取引されることになります。
つまり、マンション価格は、土地値になるまで下がり続けるということです。
このような背景から、いつまでに売却すればベストタイミングなのかという問いに対し、明確に「○年」という築年数の答えがないのです。
5年目で売ろうが、15年目で売ろうが、価格は下がっています。
マンション価格の下がり幅は一律ではない
ただし、マンション価格は一律に下がっていくかと言うと、実際にはそんなことはありません。
マンション価格の中には土地価格も含まれていますので、土地価格が上がっているような時期は、築年数が経過しても価格は大きく下がりません。
また、駅前のマンションなど、立地の良い場所に建っているマンションは、常に人気が高いため、マンション価格が下がりにくい傾向にあります。
一方で、駅から徒歩10分超のマンションは、築年数を追うごとに大きく下がっていきます。
元々の立地条件が悪いことに加え、「古さ」という悪条件が加算されていくため、築年数が経過するごとに価格が大きく下がります。
つまり、築年数の影響は立地条件によって異なるということです。
良い立地のマンションは、比較的価格が維持されやすく、悪い立地のマンションは、価格が崩れやすい傾向があります。
ここまで、築年数とマンション売却価格の関係について見てきました。
一般的には、マンションの売り時の築年数は10~15年以内と言われることが多いです。
そこで次に、ベストなタイミングと言われる10~15年以内について解説します。
一般論「10~15年以内がベスト」は古臭さという印象の問題
一般的には、マンションの売却は築10~15年以内がベストと言われています。
しかし、前章でも見たように、築10~15年以内までが特段に価格が維持されているわけではありません。
価格はずっと下がり続けています。
そのため、築10~15年以内がベストという絶対的な根拠はありません。
では、なぜ築10~15年以内が良いと言われているのでしょうか。
実際、築15年以内のマンションであれば、「まぁまぁ新しい」程度の印象は受けます。
築15年以内であれば、設備に関しても最新のマンションとそれほど大きな差はありません。
リフォームせずとも綺麗な状態で売却できるのが築15年程度、という感じの話なのです。
一般的に言われる売りどきは、あくまでも印象の問題です。
ベストな時期は築10年目まで、と主張する人もいます。
立地条件の悪いマンションであれば、築10年目を目安と考えても良いかもしれません。
築10~15年以内が良いということに特に理由はありませんが、一般的にはそれくらいの築年数は古臭さがなく、売りやすい傾向はあります。
ここまで一般論としては10~15年以内がベストについて見てきました。
では、逆に5年以内と超短期で売却した場合はどうなのでしょうか。
そこで次に、5年以下はオーバーローンとなる可能性が高いことについて解説します。
【築年数5年以下】要注意!オーバーローンとなる可能性が高い
マンション価格は築年数が経過すると下がり続けますので、早く売るほど高く売れます。
買ってみて「失敗した!」と思えば、できるだけ早く売却してしまった方が良いことになります。
ただし、フルローンに近い状態(購入金額のほとんどをローンで組む)でマンションを購入した人は、早過ぎる売却には注意が必要です。
売却時に、住宅ローン残債が売却額を上回っている状態のことをオーバーローンと呼びます。
フルローンに近い状態で物件を購入していると、築5年程度では売却時にオーバーローンの状態となっている可能性が高いです。
通常、住宅ローンは元利均等返済という返済方法で返済を行います。
元利均等返済とは、元金と利息の合計額が毎月一定額となる返済方法です。
元利均等返済では、返済当初は、毎月の支払額のうち利息の占める部分が大きくなってしまうため、元金の返済がほとんど進みません。
返済の後半戦になると、元金の占める部分が大きくなることから、後半では一気に元金の返済が進むという性質を持っています。
ほぼフルローンで新築マンションを購入すると、築年数が浅い時期は、住宅ローンの元金の減少よりも、マンション価格の減少の方が大きいことがあります。
オーバーローンの状態でマンションを売却しようとすると、売却では返済しきれなかった住宅ローン残債を、預貯金等で返済することになります。
売却額に加えて、貯金も放出することになり、結局は損をすることになります。
マンション売却は、築年数による価格の下落以外にも、住宅ローンの返済状況も加味する必要があります。
ここまで5年以下はオーバーローンとなる可能性が高いことについて見てきました。
マンションは築年数が新しいほど高く売れますが、10年以内に売ると少しもったいないという話があります。
それは品確法の保証です。
そこで次に品確法の保証について解説します。
【築年数10年目まで】品確法の保証があるため売却はもったいない!
住宅ローンの返済がある程度進むと、オーバーローンのリスクから脱却できます。
すると、築10年以内の売却はどうかということになりますが、今度は築10年以内だと逆に少しもったいないという話も出てきます。
2000年4月1日以降に新築マンションを購入した人は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「品確法」と略)」により、売主から建物の保証を受けています。
品確法の保証期間は新築から10年間です。
新築マンションを購入した人は、10年間はマンションの性能に著しく問題がある場合や、生活に支障をきたす重大な欠陥があった場合には、売主に対し修繕を請求する権利を持っています。
もし次に中古住宅を購入するのであれば、わざわざ品確法の権利を放棄してまでマンションを売却してしまうのは、少しもったいない気がします。
なお、品確法の10年間保証は、新築マンションの売主と買主との間のみ成立します。
仮に、10年以内に売却したとしても、買主は新築マンションの売主とは直接契約関係にないため、10年間保証は適用されません。
例えば、築7年目に新築マンションを売却し、買主が8年目にマンションに問題を発見したとしても、買主は新築マンションの売主に対して修繕を請求することができない(品確法の保証を受けられない)ことになります。
そのため、築10年以内の物件を品確法の保証付きと謳って売ることはできません。
新築マンション購入者の人が築10年以内の物件を売却するということは、単純に品確法の権利を放棄するということになります。
品確法の保証は次に購入する物件にも同じことが言えます。
買い替えで再び新築住宅を購入すれば、次も10年間の保証を受けることができます。
しかしながら、買い替えで中古住宅を購入すると、10年間の保証が付いた物件は購入できないことになります。
住宅の品質や安全を重視するような人であれば、無理に10年以内に売る必要はないのです。
ここまで10年目までは品確法の保証があるについて見てきました。
では、10年を超えたマンションの場合はどうすればよいのでしょうか。マンションでは修繕積立金が増額される場合があります。
築年数が10年を超えたマンションでは、修繕積立金が増額される場合を考えましょう。
そこで次に、修繕積立金の増額の影響について解説します。
【築年数5年おき】修繕積立金の増額により印象が悪くなる可能性
マンションは、保有すると管理費および修繕積立金が発生します。
中古マンションの購入者は、修繕積立金がいくらなのかについて関心が高いので、修繕積立金の増額には注意が必要です。
マンションのチラシには、月々の管理費及び修繕積立金が記載されています。
管理費及び修繕積立金の合計額が1.5万円の物件と、2.5万円の物件では、印象がかなり異なってきます。
修繕積立金に関しては、ずっと金額が固定されている「均等積立方式」と、将来の負担増が予定されている「段階増額積立方式」の2種類があります。
最近のマンションは、新築時に修繕積立金を安く見せるために、段階増額積立方式としていることが多いです。
段階増額積立方式を採用しているマンションでは、5年を目安に修繕積立金が上がることが一般的です。
たとえマンションの部屋を綺麗に使っていたとしても、修繕積立金は強制的に増額されるため、残念ながら売主の責任ではない部分で物件の印象が落ちてしまいます。
例えば、築15年目で売却したら修繕積立金が1.5万円だったものが、築16年目で売却したら2.0万円になってしまったということがあります。
たった1年の差で印象が落ちてしまいます。
そのため、マンションを売却するのであれば、5年を1つの目安として売却を考えるようにして下さい。
具体的には、築15年を過ぎていたら築20年までに売却する、築25年を過ぎていたら築30年までに売却するのが、マンションの印象を落とさずに売却するコツになります。
なお、均等積立方式のマンションであっても、予定外に修繕積立金が不足してしまった場合は、修繕積立金が増額されるケースがあります。
均等積立方式で修繕積立金が増額される場合は、事前にマンションの管理組合で話し合いが行われるため、かなり前から上がることを知ることができます。
将来、修繕積立金が上がる予定であれば、その前に売却するのが良いでしょう。
ここまで修繕積立金の増額について見てきました。
では大規模修繕の影響についてはどうなのでしょうか。
そこで最後に、大規模修繕が集中する15年目と30年目について解説します。
【築年数15年目と30年目】大規模修繕が集中するタイミングは要検討
中古マンションの購入者は、大規模修繕が実施された後のマンションに対して好印象を抱く傾向があります。
マンションのチラシには「○○年大規模修繕実施済み!」と書いてあるものをよく見かけます。
それだけ、大規模修繕実施済みの物件には、アピール力があるということになります。
マンションにもよりますが、大規模修繕は築15年目や30年目あたりに工事が集中します。
築15年目あたりで一度外壁塗装をやり直すマンションは多いです。
築30年目あたりになると、エレベーターの入替などを行うことがあります。
大規模修繕の計画が分かっている場合には、大規模修繕が実施された後に売却するというのも一つの考えです。
タイミングによっては、修繕積立金の増額と相反する場合もあります。
外壁塗装やエレベーターの入替といった物件価値を向上させる大規模修繕が近々行われることが分かっているような場合には、その大規模修繕が終わった後のタイミングを優先することをオススメします。
一般的に売りどきと言われる築15年を逃してしまった場合には、修繕積立金の増額や大規模修繕の実施状況を加味した上で、売却するようにして下さい。
まとめ
マンション売却と築年数の関係について見てきました。
内容が盛りだくさんなので、おさらいしましょう。
記事のおさらい
- マンション価格は、築30年程度までは下がり続ける。(土地価格になるまで)
- 一般的にはベストな時期は築10~15年と言われることもあるが、特に決定的な理由はない。
- 5年以内の早すぎる売却では住宅ローン残債に注意する必要がある。
- 築10年目までは品確法の保証がついているため、住宅に品質を求める人は築10年以内に無理に売る必要なし。
- 築15年を過ぎてしまった場合は、マンション売却の築年数は5年ごとを目安に検討すると良い。
- 近々大規模修繕が実施されるようであれば、大規模修繕後の方が売却しやすくなる。
築年数がかなり経っているマンションの場合は、20年目や25年目、30年目というように、5年おきに修繕積立金の増額や大規模修繕の実施状況も踏まえた上で売却するようにしましょう。
不動産鑑定士 監修 竹内英二
不動産鑑定士 中小企業診断士 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 賃貸不動産経営管理士 相続対策専門士 不動産キャリアパーソン。
大阪大学大学院卒。不動産鑑定士合格後は、日本土地建物株式会社にて、不動産鑑定やオフィスビル・賃貸マンション等の開発業務に11年間従事。2015年に株式会社グロープロフィット(不動産鑑定業・宅地建物取引業)を設立し代表取締役を務める。趣味は水泳。好きな漫画は「進撃の巨人」。