外壁塗装の悪徳業者が使う10個の手口と対処法!業者選びに失敗しないコツも解説

外壁塗装をすると多額の費用を払って大切な家を託すので、悪徳業者にだまされたくありませんよね。
しかしながら、外壁塗装や屋根塗装といったリフォームでは、悪徳業者の被害がよく見られます。
悪徳業者に騙される主な原因は、業者と依頼者に知識量の差があることです。
この記事では、外壁塗装の悪徳業者の実態やよくある手口、騙されないための対処法についてまとめました。
あなたの大切な家族や家を守るために、悪徳業者を見分ける方法を確認していきましょう。

監修者:中野雅也 飯田橋法律事務所 代表弁護士
昭和58年1月 愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月 司法試験合格
平成21年11月 最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月 飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
外壁塗装の悪徳業者の実態

外壁塗装を業者に依頼してトラブルになるケースは、年々増加しています。
次の表は、国民生活センター寄せられた悪徳業者による被害の相談件数です。
年度 | 相談件数 |
---|---|
2018年 | 7,223件 |
2019年 | 8,000件 |
2020年 | 8,757件 |
2021年 | 1,864件(前年同期1,464) |
※ここでは「屋根工事」「壁工事」「増改築工事」「塗装工事」「内装工事」の合計を「リフォーム工事」としています。
年度 | 相談件数 |
---|---|
2018年 | 5,684件 |
2019年 | 5,759件 |
2020年 | 7,009件 |
2021年 | 1,424件(前年同期1,149) |
※相談件数は2021年6月30日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)
引用:訪問販売によるリフォーム工事・点検商法 | 独立行政法人国民生活センター
訪問販売によるリフォーム工事や点検商法に関する相談が、毎年5,000件以上も国民生活センターに寄せられています。
主なターゲット層は高齢者で、突然の訪問販売や強引な営業セールスで強制的に契約してしまうケースが多いです。
突然の訪問販売や強引な営業をされたときは、勇気をもって断るか、契約する前に信頼できる家族や友人に相談することが大切です。

監修者:中野雅也 飯田橋法律事務所 代表弁護士
昭和58年1月 愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月 司法試験合格
平成21年11月 最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月 飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
専門家の解説
2020年の国民生活センターのデータでは、訪問販売によるリフォーム工事相談件数と点検商法の相談件数を加算すると、1万5000件を超える相談が寄せられていることになります。国民生活センターに相談をする方は、氷山の一角であり、データに出てこない相談や苦情の件数は、より多いと考えられます。
訪問販売をしている業者が、必ず悪徳業者であるわけではないですが、このように多くの相談が寄せられていることから、詐欺などの被害にあわないためには、訪問販売をしている業者からの話は一切断るという姿勢が必要になるかもしれません。
持ち家であれば定期的な外壁の塗り替えや屋根の修繕等が必要になってきます。また修繕費用は多額になることがほとんどでしょう。大きな出費になりますので、友人から紹介を受ける、地元の土建組合や工務店に問い合わせるなどして、複数の見積書を入手する、業者の説明をきちんと聞く、施工内容や料金などを把握するなど、納得して契約をすることが大切です。
外壁塗装の悪徳業者によくある10個の手口
外壁塗装の悪徳業者に騙されないためにも、業者が使う手口を把握しておきましょう。
よくある手口は以下の10個です。
- 訪問販売
- オリジナル塗料の販売
- 無料で点検してくれる
- 大幅な値引きを提案してくる
- 費用を全額先払い
- 契約を急かしてくる
- 自治体や大手企業を装う
- 屋根塗装が見積もりに含まれていない
- 工程・工数に手抜きがある
- 追加工事を迫ってくる
それぞれ説明していきます。
手口1.訪問販売
訪問販売は、外壁塗装の悪徳業者が使う手口のなかで最も知られているものです。
もちろん、全ての訪問販売が悪徳業者というわけではありませんが、悪徳業者の多くは訪問販売で契約を勝ち取ろうとしてきます。
よくある訪問販売の営業トーク例
「外壁がひび割れていて倒壊しそうです」
「台風や大雨が来たら確実に雨漏りしますよ」
「今すぐに修理しないと大変なことになりますよ」
上記は特に地震や洪水などの自然災後に訪問業者が使用する営業トークのひとつです。
高齢者や主婦などのターゲットを不安にさせ、セールストークを仕掛けてくる悪徳業者には気をつけましょう。
外壁は大きなひび割れなどがないかぎり、倒壊する恐れはほとんどありません。
そのため、突然訪問してきた外壁塗装業者が不安を煽ってきても安易に信じないようにしましょう。
手口2.オリジナル塗料の販売
外壁塗装業者では、オリジナル塗料を販売している業者もいます。
オリジナル塗料とは、塗料メーカーが製造した塗料ではなく、その業者が独自に開発した塗料のことです。
オリジナル塗料すべてが悪いものではありませんが、悪徳業者がよく使う手口のため、オリジナル塗料を勧められたら注意しておきましょう。
オリジナル塗料の営業トーク例
「自社開発のオリジナル塗料があり、品質や料金は大手メーカーに負けていません」
「自社開発できるほど、技術力には自信があります」
なかには、メーカーの塗料に少し独自の成分を混ぜただけで、オリジナル塗料があるとアピールする悪徳業者もいます。
日本ペイントや関西ペイント、エスケー化研など、有名な塗料メーカーが数多くありますが、そう簡単には塗料メーカーと同じ品質の塗料は作れません。
とくにオリジナル塗料の口コミや評判は、インターネット上に掲載されていないことが多いため、業者の宣伝の言葉だけでなく、根拠となる資料や外部の口コミなどがあるか確認しましょう。
手口3.無料で点検してくれる
無料点検をうたって、契約を勝ち取ろうとする悪徳業者も存在します。
もちろん、大手の業者でも無料点検は多くやっているため、すべてが怪しいということはありません。
ただし、普段は無料ではないものがキャンペーンで無料など不安や急がせる言葉で点検サービスを提案してきた場合は、警戒しておくと安心です。
無料点検による営業トーク例
「キャンペーン中なので、点検は無料です」
「無料で屋根や外壁の見積をしますよ」
「キャンペーン中」や「無料」は、悪徳業者のうたい文句です。
ハードルを下げたあとで、さらに高額な料金を請求してくる業者もいるため注意しましょう。
営業マンの狙いは、消費者に恩という貸しをつくって、そのあとの高額な見積もりの交渉にもっていくことです。
居住者の不安を煽る言葉で点検サービスを提案してきたら、悪徳業者の可能性を疑った方がいいでしょう。
手口4.大幅な値引きを提案してくる
大幅な値引きの提案も悪徳業者がよく使う手口のひとつです。
10万円前後であればまだ値引きの範囲内ですが、30万~100万など高額な値引きの場合は、客を騙そうとする悪徳業者の可能性が高いです。
大幅値引きの営業トーク例
「半額にする」
「100万円以上安くする」
「モニター価格」
なかには大幅な値引きを提案して契約を勝ち取った後、追加工事が必要になったなど高額な請求を行う悪徳業者もいます。
また、そもそもの見積もり価格が相場から大きく離れている可能性もあります。
モニター価格といって契約を急かしてくる場合は注意し、見積もり価格が相場価格と比べて高すぎないかを確認しましょう。
手口5.費用を全額先払い
費用の先払いをお願いしてくる業者には注意しましょう。
悪徳業者であることが高いため、まず提案されても安易に承諾しないことが大切です。
工事費用の先払いを要求する営業トーク例
「工事費用を先に支払ってほしい」
「工事費用の一部を先に払ってほしい」
一般的に、外壁塗装の工事費用の支払いは工事の後です。
なぜなら、施工後の品質が保証できないからです。
費用を全額または一部先払いしてほしいと言う業者には、警戒した方がいいでしょう。
なお、工事の先払いに応じてしまうと、悪徳業者の場合はお金だけ受け取って逃げてしまったり、工事を途中で止めてしまうなどのリスクがあります。
外壁塗装にかかる金額は安くないので、頼まれても費用は工事後の支払いにしましょう。
先払い、途中払い、後払いのように支払いの分割要求にも応じないのが大切です。
手口6.契約を急かしてくる
契約を急かしてくる業者のなかにも悪徳業者はいます。
契約を急かす営業トーク例
「外壁塗装が劣化しているので、このままでは倒壊します」
「隣のお宅もしているのにやらないんですか!」
悪徳業者は、居住者を不安にさせるセールストークが得意です。
とくに訪問販売で緊急性を煽る流れは悪徳業者の可能性が高いので聞き入ってはいけません。
あなたを脅すようなうたい文句で迫ってきた場合は、きっぱりと断りましょう。
手口7.自治体や大手企業を装う
悪徳業者は、大手企業の社員や自治体の職員と偽って訪問してくることがあります。
大手企業や自治体のブランド力や肩書を利用して、居住者の心理的不安を下げるためです。
下請け業者や代理業者などが塗装工事することはありますが、そのような会社であっても突然訪問してくることはまずありえません。
怪しい場合は、身分証の確認を求め、企業や自治体に直接連絡して、本当に営業マンが在籍しているかを確認しましょう。
自治体や大手企業を装う営業トーク例
「お忙しいところ恐れ入ります、〇〇の社員(職員)ですが…」
「〇〇の代理店です」
手口8.屋根塗装が見積もりに含まれていない
悪徳業者のなかには、見積もり金額を下げようと屋根の塗装も劣化しているのに外壁だけの見積もりを行う業者もいます。
そのような業者は外壁塗装の後に、屋根の塗装を追加提案してくる可能性があります。
屋根は常に日光や雨水を浴びるため外壁よりも劣化しやすく、外壁塗装と一緒に塗装を行うケースが多いです。
屋根塗装が見積書に含まれていない場合は、屋根の塗装の必要があるか確認しましょう。
一見すると相場価格のように感じても、屋根が含まれていないため相場よりも高額になっている可能性があります。
手口9.工程・工数に手抜きがある
塗装は、部材や塗料によって異なる場合がありますが、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本です。
ところが、悪徳業者は2回塗りしかせず、1回省くことで工数と材料費を節約しようとしています。
また、きちんと乾かさずに次の塗装工程に移り、時間を短縮させようと企む業者もいます。
そうすると耐久性が劣り、もう一度塗り直ししなければいけません。
手抜き業者の被害に遭わないためには、次の2つに気をつけましょう。
- 作業日数を確認する
- 低単価だけが強みの業者は避ける
外壁塗装工事にかかる日数は、約2週間です。
2週間よりも早く終わる業者や激安の業者は、手抜きをしている可能性があるので要注意です。
手口10.追加工事を迫ってくる
ある程度施工が進んだ段階で、追加工事を持ちかけてくる業者も注意が必要です。
もちろん追加工事を提案する業者の全てが悪徳業者という訳ではありません。
ですが、悪徳業者のなかには、施工中にわざと屋根や外壁を破損させ追加工事を請求してくる業者もいます。
そのため、施工前の打ち合わせは入念に行いましょう。
また、提案された追加工事が本当に必要なものなのか、見積もりの段階ではわからなかったのかを確認し、納得できる説明を貰うようにしましょう。
信頼できる業者の場合は、しっかりと説明をしてくれるので、安易に追加工事を承諾せず確認するのが大切です。

監修者:中野雅也 飯田橋法律事務所 代表弁護士
昭和58年1月 愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月 司法試験合格
平成21年11月 最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月 飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
専門家の解説
点検商法では、昔から根拠のない不安をあおって契約を締結させるという手口が横行してきました。例えば、布団にダニがわいているとして羽毛布団を購入させる、水道水の水質が悪いとして浄水器を購入させる、屋根瓦がずれているとして修繕工事をさせるなど、枚挙にいとまがありません。
私の場合ですが、業者が、屋根の点検が必要であり、雨漏りになるなどと不安をあおってきましたが、屋根のどこにどのような問題があるのか、どこから見て確認したのかなどと、質問を繰り返したら、気難しい客であるとして、勝手に引き上げていくことがありました。なかなか難しいですが、業者は、勝手に訪ねてきたのですから、こちらには対応する法律上の義務はありません。業者の説明に少しでも違和感があるとか、しつこい勧誘であると感じた場合は、「要はありません」と、きっぱりと断ったほうが良いと思います。
悪徳業者に騙されないための6つの対処法
外壁塗装工事によるトラブルは、年々増えてきているのが現状です。
そこで、悪徳業者に騙されないための具体的な対処法を6つ見ていきましょう。
それぞれ説明していきます。
1.訪問営業を信用しない
悪徳業者の多くは、高齢者や共働き世帯を狙って訪問営業を仕掛けてきます。
契約をとれるターゲット層がわかっているからです。
訪問営業すべてが悪いわけでありませんが、最近はインターネットを使った営業などが主流です。
そのため、突然訪れてきた業者のことを、安易に信用するのはやめましょう。
2.セールストークに即決しない
「今日中に契約していただけるなら半額で施工します」
「今すぐ直さないと外壁が崩れて大変なことになりますよ」
上記のようなトークであなたの不安をあおり、すぐに契約させよう業者は悪徳業者の可能性が高いです。
不安なときは一度断ってから、1人で抱え込まずに家族や友達などに相談しましょう。
また、「一度考えます」といった曖昧な発言をすると強く営業をかけられることもあるので、いったん断ってから考えるのがおすすめです。
3.怪しいと感じたらきっぱりと断る
少しでも業者のことを怪しいと思ったら、きっぱりと断りましょう。
相手は営業のプロなので、少しでもあいまいな態度をとったら、あの手この手で契約させようとしてきます。
もし強く断りづらいなら「すでに他社と契約しています」など、他社と契約済みであることをアピールしましょう。
4.マーキングを見つけたときはすぐに消す
悪徳業者の営業マンが、ターゲット層のライフスタイル記号などを使って、仲間内にしかわからないようにすることをマーキングといいます。 マーキングは表札やドアノブ、郵便ポストや電気(ガス)メーターの死角に書かれることが多いので、普段玄関や庭の掃除をするときに意識的に確認しましょう。 このようなマーキングは空き巣や泥棒などの手口にも使われているので、不審なことやおかしなことがあったらすぐに警察に相談しましょう。
5.会社名や口コミを調べる
営業マンからもらった業者のパンフレットに記載されている会社情報をもとに、口コミをネットで検索すると、その業者が信頼できるかある程度わかります。
業者の対応や施工の品質が悪ければ、悪い口コミは多くなり評価も下がり続けるからです。
また、口コミサイトで「大金を支払ってしまった」「業者とトラブルになった」という悪い口コミが多いなら、その業者に依頼しない方が賢明でしょう。
6.複数の業者で相見積もりを取る
外壁塗装などのリフォームを検討するときは、複数の業者に見積もりを出してもらいましょう。
なぜなら、見積金額に対して、素人は高いのか安いのかの判断がつかないからです。
見積もりを依頼した会社が1社だけだった場合、比べることができないため、他社でも見積もりを取り、高すぎたり安すぎたりしないかどうか確認しておきましょう。
業者には、「他社の見積金額と比較して決めたいので時間をください」と伝えればOKです。
業者のセールスマンがいない空間で、落ち着いてインターネットなどを使って他社の見積もり金額と比較して決断しましょう。
信頼できる外壁塗装業者を選ぶポイント
信頼できる外壁塗装業者の特徴について紹介します。
いくつか候補の業者の中から一社を選ぶときの参考にしてください。
- 住宅を正しく診断してくれるか
- 営業マンが誠実な応対をしているか
- 適正価格を提示しているか
- 見積書にきちんと根拠が明記されているか
- 保証やアフターケアがあるか
それぞれ説明していきます。
住宅を正しく診断してくれるか
外壁塗装の見積もりを正しく診断するには、入念な住宅のチェックが欠かせません。
外壁塗装の見積もりは、住宅の診断結果に応じて算出するからです。
たとえば、住宅の診断には次のような項目があります。
- 外壁にひび割れがないか
- どれぐらい色あせしているか
- 雨漏りが発生していないか
見積もりの後は、住宅がどのような状態だったか聞くようにしましょう。
また、しっかりした診断を行うにはある程度時間がかかるので、5分~10分で終了する業者には要注意です。
営業マンが誠実な応対をしているか
営業マンが誠実な対応をしてくれるかどうかも確認しましょう。
塗装工事をするのは専門業者ですが、料金や工法の説明を受けるのは営業マンからです。
そのため、信頼できる営業マンを見極めることが大切です。
信頼できる営業マンを見極めるポイントは次の5つです。
- 塗装技能士などの国家資格や民間資格を持っている
- 時間をかけて外壁をチェックしてくれる
- 劣化箇所や修繕方法を具体的に説明してくれる
- 見積書の内容が具体的に記載されている
- 契約を急かしてこない
営業マンのことを知るためにも、気になることや分からないことについては、たくさん質問するようにしましょう。
あなたの大事な家を任せる業者なので、悩みやトラブルに対し親身になってくれるか見極めるのが大切です。
適正価格を提示しているか
信頼できる業者は、適正価格を提示してくれます。
一般的な30坪の戸建住宅の場合、外壁塗装費用は60万〜100万円です。
明らかに高額な費用を提示された場合は、断った方がいいでしょう。
もちろん、外壁塗装の費用は住宅の大きさや劣化状況、劣化の進行によって異なるため、見積もりの詳細についての説明もしっかり聞くのが大切です。
見積書にきちんと根拠が明記されているか
見積書に「一式」という言葉があるときは、要注意です。
なぜなら、業者が複数ある工程の見積もりを合体させて、トータルで高い見積金額にして利益を得る手口だからです。
一式と書かれているときは、業者に直接詳細に質問してみましょう。
回答に詰まったら、おそらく高額な見積もりにしている可能性が高いです。
保証やアフターケアがあるか
外壁塗装には保証やアフターケアをつける義務はありません。
そのため、保証やアフターケアをつけて業者がどこまで責任を負う覚悟があるかも、信頼できる業者を選ぶポイントになります。
何を、どのぐらい保証できるのか確認しておくといいでしょう。

監修者:中野雅也 飯田橋法律事務所 代表弁護士
昭和58年1月 愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月 司法試験合格
平成21年11月 最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月 飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
専門家の解説
消費者被害を防止するという観点からすれば、悪質業者に騙されないためには、訪問販売を全て断ることが一つの答えになります。高齢であったり、気が弱かったりすると、話を聞いてしまうことで問題が生じることになりますので、そもそも話を聞かない、断る、書類にサインはしない、ということを繰り返すしかありません。訪問販売を繰り返す業者は、多数の営業マンが多数の居宅を訪問して販売しなければ、運営できない業者であると推測することができます。間違った契約をして大事なお金を失うよりも、断るほうが良いと思いませんか。
もし契約した後に悪徳業者と気づいたら
外壁塗装のリフォームを契約した後に、悪徳業者と気づいた場合の対応は以下の3つです。
- クーリングオフ制度を利用する
- 国民生活センターや地方公共団体の消費者センターに相談する
- 弁護士に相談する
それぞれの対応策について説明します。
クーリングオフ制度を利用する
悪徳業者と契約してしまった場合、8日以内ならクーリングオフできます。
クーリングオフが適用される条件は以下の3つです。
クーリングオフが適用される条件
- 契約書面を受け取ってから、8日以内
- 契約者側から業者と連絡を取ったり、業者の事務所(店舗)まで行っていない
- 個人が法人と契約をしている
また、上の条件を満たしていない場合でも、下記の場合はクーリングオフが適用されます。
- 契約書等にクーリングオフについての注意書きをしていない場合
- 業者がクーリングオフさせないように嘘をついて契約させた場合
工事が始まるとキャンセルができてもその後の処理が難しくなるので、早めに決断しましょう。
国民生活センターや地方公共団体の消費者センターに相談する
国民生活センターや消費者センターでは、外壁塗装を含むさまざまな売買契約のトラブルの無料相談に応じています。
トラブル解決のサポートや対処法のアドバイスをもらえるので、最初の相談先として最適です。
相談先 | 電話番号 | 受付時間 |
---|---|---|
消費者ホットライン(全国統一番号) | 188 | 案内先の窓口により異なる |
国民生活センター平日バックアップ相談 | 03-3446-1623 | 平日10時~12時、13時~16時(土日祝日、年末年始を除く) |
弁護士に相談する
クーリングオフの期限が過ぎている場合や国民生活センターで解決できない場合、弁護士に相談しましょう。
弁護士に交渉を依頼する弁護士費用が必要ですが、業者に対し、契約の取消しや料金の返還などを交渉してくれますので、事態の改善が期待できます。
ただし、弁護士によって得意分野・不得意分野があります。
正式に依頼する前には外壁塗装やリフォームに関する紛争解決の実績があるかどうか、確認しておきましょう。

監修者:中野雅也 飯田橋法律事務所 代表弁護士
昭和58年1月 愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月 司法試験合格
平成21年11月 最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月 飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
専門家の解説
契約した後に悪徳業者かもと思ったら、上記の消費者ホットライン、国民生活センターにすぐに電話して相談してください。
また、消費者問題に精通した弁護士にも相談すると良いでしょう。各地の弁護士会は、消費者問題に詳しい弁護士が相談員となる相談窓口を設けていると思いますので、弁護士会の法律相談窓口に問い合わせをして、法律相談の予約を取ると良いと思います。インターネットを用いて、高齢者問題や消費者問題を扱っている弁護士を探すことも良いと思います。実際に弁護士に相談し、解決の見込みや弁護士費用をきちんと説明してくれるかどうか、話をよく聞いてくれるかなど、弁護士との相性を確認しましょう。
まとめ
外壁塗装の悪徳業者は、突然訪問してきて、居住者の心理を不安にさせるような営業トークを上手に使い、高額な施工費用を請求してきます。
悪徳業者の特徴は次の5つです。
- 訪問販売
- 無料や大幅な値引きを提案してくる
- 契約を急がす
- 見積項目に「一式」という言葉を使う
- インターネット上の口コミや評判がよくない
なお外壁塗装の契約後に高額な費用を請求されたり、騙されたと気付いたりした場合は、すぐに国民生活センターや弁護士に相談しましょう。
監修者情報

監修者:中野雅也 飯田橋法律事務所 代表弁護士
昭和58年1月 愛知県名古屋市生まれ
平成21年9月 司法試験合格
平成21年11月 最高裁判所司法研修所入所(63期)
平成22年12月 弁護士登録、東京弁護士会、登録番号42736 大江忠・田中豊法律事務所入所
令和2年7月 飯田橋法律事務所 設立
対外活動として、一般社団法人全国銀行協会あっせん委員会事務局付き弁護士に就任し、銀行と顧客との間での金融商品の販売等に関する紛争の調査を多数行ってきた。(平成29年4月~現任)
公式サイト | 飯田橋法律事務所ウェブサイト |
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専門・得意分野 |
企業間での取引紛争の解決(民事裁判、ADRなど) 解雇などの労働問題(使用者側、労働者側) 高齢者の金融商品被害、不動産の絡む遺産分割、遺言書の作成など |
その他保有資格 | 平成19年 行政書士試験合格(未登録) |