平米単価を元に外壁塗装の費用を計算する方法!見積もりの確認ポイントも解説

外壁塗装の費用は一般的に「平米単価」で計算することができます。
塗装業者が作る見積もり書も、ほとんどが「1平米あたり〇円」といった平米単価で計算されていることが多いため、見積もり書の価格が適正かどうか気になった際は、平米単価から計算してみましょう。
また、外壁塗装の見積もり書は業者によって異なるため、業者を比較しようにもなかなか上手くいかないケースが多いです。
そのため、費用の安さだけではなく、どんな工事にいくらかかるのか、をしっかり確認することが大切です。
この記事では、外壁塗装を検討している方が適切な価格で工事ができるよう、見積もり書のなかの平米単価について詳しく解説していきます。
平米単価を利用した費用の計算方法だけでなく、実際の費用が平米単価の計算より高くなる理由や、見積もり書で注意すべき点なども解説していきます。
ぜひ最後まで確認してください。

平米単価から外壁塗装の費用を計算する方法
平米単価から外壁塗装の費用を計算する方法は下記の3ステップで行います。
- 塗装する外壁面積を求める
- 外壁面積に塗料の平米単価をかける
- 平米単価の付帯費用を計算して足し合わせる
実際にどうやって計算していくのか、具体的な例を出しながら紹介していきます。
ステップ1.塗装する外壁面積を求める
外壁塗装の費用を計算するには、まず塗装する外壁の面積を計算します。
塗装する面積は以下の式で出すことができます。
坪数(30坪)×3.3(1坪=3.3㎡)×係数(1.2程度)=外壁の面積
まずは、ご自宅の坪数と1坪あたりの面積(3.3㎡)をかけて延べ床面積を出します。
延べ床面積とは、各階の床面積を合計した面積のことです。
例えば、2階建ての一軒家で1階の床面積が90㎡、2階の床面積が70㎡の場合、延べ床面積は90+70=160㎡となります。
この延べ床面積に係数をかけることで、外壁面積を出すことができます。
係数をかけるのは床の面積と外壁の面積が異なるからです。
実際に、30坪の建物の外壁面積を計算してみましょう。
延べ床面積は30坪 × 3.3㎡ = 99㎡です。
延べ床面積に係数1.2をかけて、99㎡ × 1.2 =118.8㎡が塗装する外壁面積の概算になります。
係数はあくまで概算価格を調べるために利用するものです。
そのため、実際には建物の構造などによって細かい部分は変わってくるので、外壁の大まかな面積を知るための計算式として参考にしてください。
ステップ2.外壁面積に塗料の平米単価をかける
外壁の面積を出すことができれば、塗料の単価をかけることで、塗料の費用を計算することができます。
外壁の面積 × 塗料の単価 = 塗料の費用
実際に、30坪の建物で塗料の費用を計算してみましょう。
塗料によって単価が異なるため、依頼する業者の塗料を確認しましょう。
相場価格で計算すると以下のようになります。
塗料の種類 | 計算式(単価×外壁面積) | 30坪の塗装にかかる費用 |
---|---|---|
アクリル | 1,400~1,800円 × 118.8㎡ | 166,320~213,840円 |
ウレタン | 1,700~2,200円 × 118.8㎡ | 201,960~261,360円 |
シリコン | 2,300~3,000円 × 118.8㎡ | 273,240~356,400円 |
フッ素 | 3,500~4,800円 × 118.8㎡ | 415,800~570,240円 |
遮熱・断熱塗料 | 4,000~5,000円 × 118.8㎡ | 475,200~594,000円 |
光触媒(無機) | 4,500~5,500円 × 118.8㎡ | 534,600~653,400円 |
このようにして、外壁塗装にかかる塗料の費用を出すことができます。
ステップ3.平米単価の付帯費用を計算して足し合わせる
外壁塗装にかかる費用は塗料以外にも付帯費用があります。
実際の塗装にかかる付帯費用も平米単価を利用して計算しましょう。
項目 | 平米単価 | 30坪の付帯費用の相場 |
---|---|---|
足場代 | 700~1,000円/㎡ | 7万~10万円 |
塗装前の高圧洗浄 | 200~250円/㎡ | 2万~3万円 |
塗装前のバイオ洗浄 | 500~800円/㎡ | 6万~8万円 |
塗料の飛散防止ネット | 100~180円/㎡ | 1万~2万円 |
養生 | 200~500円/㎡ | 2万~5万円 |
コーキング補修(増し打ち) | 500~900円/㎡ | 6万~10万円 |
コーキング補修(打ち替え) | 700~1,200円/㎡ | 7万~14万円 |
セメント補修 | 1,500~2,500円/㎡ | 17万~29万円 |
シーリング補強 | 800~1,000円/㎡ | 8万~10万円 |
下地補修 | 100~200円/㎡ | 1万~2万円 |
現場管理費 | 300~500円/㎡ | 3万~5万円 |
廃材処理費等 | 100~300円/㎡ | 1万~3万円 |
屋根塗装 | 使用する塗料の価格 | 20万円前後 |
付帯部分塗装 | 使用する塗料の価格 | 10万円前後 |
見積もり書では、上記のような工事内容が記載されている他、外壁と同じタイミングで屋根や雨樋などの塗装を行う場合は詳細を確認しておきましょう。
30坪の住宅の外壁塗装費用シミュレーション
一般的な一戸建て住宅である30坪の住宅で、シリコン塗料を用いた外壁塗装の費用を平米単価で計算してみましょう。
項目 | 面積 | 平米単価 | 合計 |
---|---|---|---|
足場 | 100㎡(約30坪) | 700円 | 70,000円 |
高圧洗浄 | 180㎡(外壁・屋根の面積) | 200円 | 36,000円 |
養生 | 100㎡(約30坪) | 400円 | 40,000円 |
下地補修 | 20,000円 | ||
シーリング補強 | 80,000円 | ||
下塗り(水性・油性) | 100㎡(約30坪) | 600円 | 60,000円 |
外壁塗料(シリコン) | 100㎡(約30坪) | 2,700円(中塗り/上塗りの合計2回) | 270,000円 |
屋根塗料(シリコン) | 80㎡(約30坪) | 2,700円(中塗り/上塗りの合計2回) | 216,000円 |
合計792,000円 |
平米単価は塗装工事の内容によって大きく異なります。
そのため、複数の見積もりを比較する際は、どの工事にいくらかかるのかを把握したうえで比較しましょう。
なお、30坪以外の外壁塗装にかかる費用が知りたい場合は以下で確認できます。
30坪の外壁塗装の費用相場
40坪の外壁塗装の費用相場
50坪の外壁塗装の費用相場
60坪の外壁塗装の費用相場
平米単価の計算から費用が高くなる理由
平米単価から計算した外壁塗装の費用より、業者からの見積もり費用や実際の施工費用が高くなるケースはあります。
なぜなら、平米単価での計算はあくまで概算価格を知るためのものだからです。
細かい家の特徴によって、使用する塗料の量だけでなく、人件費や補修費用などがかかるため、計算より高くなってしまうのです。
具体的な例をあげると、平米単価の計算から費用が高くなるケースでは以下の4つの場合が多いです。
- 家の形が入り組んでいる
- 足場を組みにくい環境にある
- 劣化が激しく補修箇所が多い
- 大通りに面している
それぞれ説明していきます。
1.家の形が入り組んでいる

家の形が入り組んでいるケースでは、塗装する外壁の面積が異なる場合があります。
たとえば、上記のように家の形が入り組んでいると、坪面積は75㎡と少ないものの、塗装面積は100㎡の家と同じになります。
このように、建坪と塗り面積は比例しないため、実際の塗装面積を計測してからでないと、計算した費用より高くなるケースはあります。
平米単価を元に計算する際は、家の形が入り組んでいるなど目立った特徴がないか確認しておきましょう。
また、見積もりの際に塗装面積を計測してもらうのもおすすめです。
業者によって計測に誤差はありますが、塗装面積の段階で他の業者と大きく異なる面積を出す業者は悪徳業者の可能性もあるので、見積もり書で注意してみましょう。
2.足場を組みにくい環境にある
足場を組みにくい家の場合、足場設置代や人件費が高くなることがあります。
特に隣家との距離が狭い場合は、足場を組むのにも時間がかかるため、人件費が高くなります。
そのため、隣家との距離が50㎝以下の場合は、あらかじめ業者に伝えておくのが大切です。
また業者のなかには、足場不要をうたう業者もいますが、外壁塗装の工事において足場は大事な部分です。
足場をカットして安く済ませようとする業者は控えた方が無難です。
3.劣化が激しく補修箇所が多い
劣化が激しく補修箇所が多い場合は、費用が高くなります。
外壁塗装は家の外壁を守り、家の耐久性を維持するために行うものですが、外壁塗装を長らくやっていない場合などは劣化が進み、補修材料が多くかかります。
新築であれば、安価なウレタン塗料が使われている事が多いため、約7年前後での塗り替えが望ましいとされます。
2回目の塗り替えであれば、一般的な塗料の耐用年数といわれる10年を目安に、塗替えや防水工事などのメンテナンスを行いましょう。
4.大通りに面している
大通りに面している家の場合、工事中は車や人の通行を妨げないように、警備員(交通誘導員)を配置しなければならないことがあります。
警備員は1日あたり14,000円~18,000円ほどですが、外壁塗装工事は最低でも約2週間前後の施工期間となりますので、警備員への人件費だけで約20~30万円が発生するため、平米あたりの施工単価が高くなる恐れがあります。
見積もり書でチェックすべきポイント2つ
外壁塗装の費用を見積もった際、チェックすべきポイントは下記の2つです。
- 塗装面積や平米単価が記載されているか
- 工事内容が「一式」で省略されていないか
それぞれ説明していきます。
1.塗装面積や平米単価が記載されているか
見積もり書に「塗装面積」や「平米単価」が記載されているか確認しましょう。
なぜなら自分の家が30坪だと思っていても、家の形によっては塗装する面積が一般的な計算で出たものとは異なる場合があるからです。
また、業者によっても塗装面積の出し方が異なる場合もあるため、見積もり書を比較するためにも、詳細が出る業者かどうか確認するのは大切です。
まずは自分の家の「塗装面積」と「平米単価」が見積もり書に記載されているか確認しましょう。
記載されていない場合は、詳細を出してもらうように相談しましょう。
業者に言うのをためらう人もいるかもしれませんが、外壁塗装は業者を複数から選ぶのが一般的なので、見比べたいからと言って問題ありません。
逆に不安な対応をされた場合は、依頼しない方が安全です。
2.工事内容が「一式」で省略されていないか
工事内容が「一式」で省略されていないか、確認しましょう。
とくに外壁塗装には様々な工程があるため、一見すると平米単価が安く魅力的に思えても、外壁塗装の耐久性を保つことができない工事になっている可能性があるからです。
安さだけで決めてしまうと後々補修が必要になったり、メンテナンスの費用がかかる場合もあります。
見積もり書で「一式」が多用されていないか確認し、工事内容を把握しておきましょう。
なお、外壁塗装の工事内容で確認しておきたい点は以下になります。
- 足場工事が見積もりに含まれているか
- 下地調整(下地補修)があるか
- 塗装の三度塗りがあるか
- 家の付帯部分も塗装してもらえるか
- (屋根塗装も行う場合は)屋根の塗装も見積もりに入っているか
以上のような点が見積もり書で分からない場合は、一度業者に相談して、詳しい見積もりを出してもらうのが賢明です。
まとめ
平米単価をもとにした外壁塗装の費用の計算方法
- 塗装する外壁面積を求める
- 外壁面積に塗料の平米単価をかける
- 平米単価の付帯費用を計算して足し合わせる
塗料の平米単価一覧
- アクリル塗料:1,400~1,800円
- ウレタン塗料:1,700~2,200円
- シリコン塗料:2,300~3,000円
- フッ素塗料:3,500~4,800円
- 遮熱・断熱塗料:4,000~5,000円
- 光触媒(無機):4,500~5,500円
外壁塗装は塗料の耐用年数である10年程度を目安に、定期的な塗り替えでお家を守りましょう。
なお、外壁塗装業者の選び方のポイントについては「外壁塗装業者の選び方を徹底解説!費用相場と最適なリフォーム時期も紹介」で詳しく解説しています。
外壁塗装の業者選びで悩んでいる方や見積もりを取りたい場合は、ファインドプロにご連絡ください。
提携している優良塗装業者から複数のご自宅にあった業者を紹介いたします。
平米単価と外壁塗装費用に関するQ&A
平米単価を知れば塗装費用が計算できる?
外壁塗装にかかる費用は30坪の戸建て住宅の場合は60万~100万円、外壁と合わせて屋根も塗装する場合は80万~130万円が相場ですが、工事内容の平米単価が分かれば「塗装する面積×平米単価」でおよその費用を求めることができます。詳しくは「平米単価から外壁塗装の費用を計算する方法」で確認できます。
平米単価の計算から費用が高くなる理由は?
平米単価の計算から費用が高くなる原因は主に「家の形が入り組んでいる」「足場を組みにくい環境にある」「劣化が激しく補修箇所が多い」「大通りに面している」の4つです。見積もり書がある場合は詳細を見ながら、上記の原因がご自宅にないか確認しましょう。詳しくは「平米単価の計算から費用が高くなる理由」で確認できます。
平米単価の相場や外壁塗装の価格表はある?
外壁塗装にかかる費用を詳細まで公開している業者は少ないです。各工事の平米単価は「平米単価から外壁塗装の費用を計算する方法」で確認できます。