【弁護士監修】引越し業者によって賃貸が破損したら補償請求は誰が行う?

2022/01/26公開

【弁護士監修】引越し業者によって賃貸が破損したら補償請求は誰が行う?

引越し作業で賃貸の家屋が破損してしまった場合は、条件次第で引越し業者に賠償請求することができます。しかし、「どのような流れで補償請求を行うのか」、「借主ではなく大家から連絡したほうがいいのではないか」といった点が気になるという方もいますよね。

本記事では、引越し業者による家屋の破損が生じた際の補償請求について、Q&A形式でまとめました。

監修者:弁護士 山本雄大 / 三浦法律事務所

2010年東京大学法学部卒、2012年東京大学法科大学院卒。2012年に司法試験に合格し、2013年より弁護士として執務。広島を拠点に一般民事、家事事件から企業法務、刑事事件まで幅広いリーガルサービスを提供し、数多くの案件を解決している。

Q1.引越し作業で家屋が破損した場合の補償請求の流れを教えてください

一般的には、引越し作業によって家具や家屋に破損が発生した場合、引越しを担当した引越し会社にご自身で連絡するのが最初のステップです。破損に気がついた段階で、速やかに作業を担当した業者へ連絡しましょう。

この際、同時に賃貸の管理会社や大家へ連絡をとることを忘れないようにしましょう。破損が借主の手によって起きたわけではないことを伝えなければならないので、必要であれば、引越し会社から貸し元へ連絡を入れてもらうことも検討してください。

その後、当日の作業を行った担当者や引越し会社の営業担当などが状況確認に訪れ、実際の破損状況を把握します。その結果、補償の内容をすり合わせるのが基本的な流れです。補償内容は、引越し会社からの言い値では不足する可能性があります。必ず、賃貸の貸し元に修繕費用を見積もりしてもらい、その金額を元に交渉することが大切です。

ただし、近年では依頼者が破損の状況を写真で撮影してメールで送り、その内容をもとに引越し会社側で補償内容を判断するケースもあります。

補償方法は、修理・修繕が可能なものについては修理対応になるケースが多いようです。修理が不可能なものは金銭で補償されますが、補償元は金額の多寡によって引越し会社が直接負担するか、保険会社が負担するかが決まります。

Q2.引越し会社が負う具体的な責任の範囲を教えてください

国土交通省が定めた「標準引越運送約款」では、事業者側の引越し作業に問題がなかったことを証明できない場合、損害賠償責任を負わなければならないと規定されています。ただし、運搬する荷物に最初から欠陥があった場合や、予見できない天災で家屋が破損した場合などについては、事業者の責任が免除されます。

荷物の破損や紛失に気がついた場合、引越し荷物を受け取ってから3ヶ月以内に申し出なければならないことも定められています。3ヶ月を超えると事業者の責任は消失するため、たとえ事業者側に責任があったとしても賠償請求はできなくなります。

また、こういった破損の申し出は引越し荷物を受け取ってから1年が経過するまでが有効期間となるので注意してください。

Q3.引越し会社の補償の範囲外となる事例を教えてください

前述のように、基本的には国土交通省が定めた「標準引越運送約款」に沿う形で紛争の解決や補償範疇を決めていきます。注意したいのは、壊れた対象に「外傷がない場合」は、引越し会社の責任にならない可能性があることです。

例えば、外傷がないパソコンを運び込む際に壁へぶつけられてしまい、壁だけが傷ついてしまったとします。壁については目に見えて外傷があるので補償されることになりましたが、後日、ぶつけたパソコンの電源が入らなくなってしまいました。

この場合、パソコンは引越し作業で故障したとは言い切ることができず、引越し会社の補償の範囲外とみなされる可能性があります。こうした、外傷の生じない破損が起きた場合は要注意であることを覚えておきましょう。

Q4.引越し業者が破損に備えて入っている保険はどのようなものか教えてください

引越し会社は、通常「運送業者貨物賠償責任保険」という保険に加入しているケースが多いです。この保険は、引越し会社が引越し作業中に依頼人から委託されている荷物を紛失・破損させてしまった場合に、賠償責任を保証するための保険です。

運送業者貨物賠償責任保険の補償上限は一般的に1,000万円に設定されており、「引越し荷物の積み込み、荷降ろし中、輸送中、保管中に偶然起きた事故」「依頼主が訴訟を起こした場合の訴訟・仲裁・調停費用」に対して補償されます。

ただし、引越し会社に過失がある場合や依頼主側が故意で破損させた場合など、条件によっては補償が受けられない場合もあります。また、宝石、宝飾品、貴金属や美術品など、補償の対象外となっている荷物にも注意が必要です。

Q5.もし引越し会社が補償を渋る場合はどのような対処すればいいですか?

引越し会社との話し合いで補償に関するトラブルが解決しないようなら、各種機関に相談する方法が考えられます。市区町村の相談窓口や国民生活センター、法テラスなどは、引越しにまつわるトラブルの相談を受け付けています。

市区町村では無料で弁護士にトラブル相談ができる窓口が設けられていることから、解決が難しいと感じたときはトラブルの内容を相談してみると良いでしょう(要事前予約)。また、国民生活センターは電話でトラブルの相談に乗ってくれます。

法テラスでは、トラブルの内容を説明するとトラブル内容に応じて適切な法的制度や窓口を紹介してもらえます。一定の条件に当てはまれば「民事法律扶助制度」を適用して弁護士に無料相談することも可能です。

まとめ

引越し業者によって賃貸が破損した場合の補償請求について、今回お伝えした内容は下記のとおりです。

  • 引越し作業で家屋が破損した場合、「速やかに引越し会社と大家(管理会社)に連絡→状況確認→補償方法の検討→補償」の流れをたどるのが一般的
  • 国土交通省が定めた「標準引越運送約款」では、事業者側の引越し作業に問題がなかったことを証明できない場合、損害賠償責任を負わなければならないと規定されている
  • 運搬した荷物が壊れていても、「外傷がない場合」は引越し業者の責任にならない可能性がある
  • 引越し会社は通常「運送業者貨物賠償責任保険」という保険に加入しており、上限1,000万円の補償が受けられる。しかし、一部補償の対象外となる条件もある
  • 引越し会社が補償を渋る場合は、市区町村の相談窓口や国民生活センター、法テラスなどに相談する

引越し業者と賃貸の破損にまつわるトラブルが起こった場合は、今回ご紹介したQ&Aをぜひ参考にしてみてください。

監修者:弁護士 山本雄大 / 三浦法律事務所

2010年東京大学法学部卒、2012年東京大学法科大学院卒。2012年に司法試験に合格し、2013年より弁護士として執務。広島を拠点に一般民事、家事事件から企業法務、刑事事件まで幅広いリーガルサービスを提供し、数多くの案件を解決している。

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