更新日: 2023年8月29日

お正月の風物詩であるお雑煮。
ご存じのとおり、地域の文化や習わしが色濃く出る料理でもあります。
これまで様々なサイトで、お雑煮の分布図などが公表されていますが、参照元となるデータがあいまいだったり、古いデータを使っていたりすることがほとんどです。
参照元のデータがなければ信用できる情報かわかりませんし、引越し者が増えることで廃れてしまったお雑煮の文化や、逆に広まりつつある風習があっても、古いデータではわかりません。
そこで引越し侍では、最新のデータで、前代のありのままのお雑煮について伝えるべく、引越し侍の利用者にアンケートを実施しました。
その結果を、日本地図で簡単にまとめてみました!

ここからは、各地の特徴的なお雑煮について、詳しく説明していきます。
近年、日本特有の文化は薄れつつあるものも多いですよね。
引越しのあいさつや、引越しそばなどを「やらない」という人も増えてきています。
お正月の祝い事なども日本特有の文化ですが、果たしてお雑煮を食べる人は現代にどれくらいいるのでしょうか?

調査によると、90%以上の人がお雑煮を「食べる」という結果でした。
お正月のおせちや年賀状などは、年々「やらない」という人が増える一方で、お雑煮はほとんどの人が食べているようです。
お雑煮はおせちなどに比べてカジュアルな家庭料理で、マナーや決まりが少なく、準備も簡単であることが理由だと考えられます。
では、地域別にみるとどうでしょうか?

どの地域でも90%近くの人がお雑煮を食べるようですが、割合はかなり地域差があることがわかります。
東海・北陸地方と中国・四国・九州では、お雑煮を食べない人が約2%ほどでした。
一方、沖縄ではお雑煮を食べない人が10%以上もいます。
沖縄ではお雑煮に限らず、本州とは違う食文化があることも多いですよね。
年代別に見ると、次のような結果になりました。

やはり、「食べる」人の割合が一番多いのは60代の人たちでした。
昔ながらの文化を残しているのは、高齢層が多いですね。
一方、意外なことに10代の「食べる」人の割合もかなり多くなっています。
10代の親世代と考えられる30~40代より多い結果になったのは驚きです。
親は作るだけで食べず、子どもだけ食べるということでしょうか?
これらの結果から、東海・北陸もしくは中国・四国・九州が出身地の60代もしくは10代の人が、1番お雑煮を食べているということですね。
上記の条件に当てはまる人がいれば、お雑煮に関しては圧倒的大多数ということです。
一方、沖縄県が出身地の20代の人でお雑煮を食べている人は、少数派ということになりますね。
お雑煮について議論するとき多いのは、次の3つですよね。
餅は、角餅と丸餅のどちらを使うかで話題になります。
また、餅は焼いてから雑煮に入れるのか、具材と一緒に煮込むのか、はたまた焼いてから煮込むのか、いろいろパターンがありそうですね。
つゆは、醤油ベースなのか味噌ベースなのかで意見が分かれるのではないでしょうか?
そこで、まずはお餅の形とお餅の調理方法について調査してみました。

一番多くの人が食べているお雑煮は、「角餅を焼く、もしくは焼いてから煮込む」というお雑煮でした。
次点は、「丸餅をそのまま煮込む」と「角餅をそのまま煮込む」という人で、どちらも約20%という結果になりました。
一方地域別でみると、1番多くの県で支持されたのは、「丸餅をそのまま煮込む」お雑煮で、滋賀県以西と山形県で票を集めました。
「角餅を焼く、もしくは焼いてから煮込む」お雑煮は、北陸と関東以東、そして沖縄県で票を集めています。
東海地方では、「角餅をそのまま煮込む」という人が多く、関東と関西の文化が交わっていることがよくわかります。
「丸餅を焼く、もしくは焼いてから煮込む」と答えた人が多かった県は、奈良県と大分県でした。
また、あん入り餅を使用する人が多かったのは、香川県のみでした。
「そのほか」を選んだ人の中で、特に多かった食べ方は次の4つでした。
後ほど詳しく紹介しますが、お正月には「火を使ってはいけない」「包丁を使ってはいけない」という習わしを守る家庭や地域があるのです。
そのため、火を使わずに調理できるようレンジを使用したり、包丁を使わなくていいようにお餅をちぎったりしていると考えられます。
また、両親や親せきの出身地が違う家庭では、人によってお餅の形などを変えることもあるようです。
他にも、珍しいお餅を食べているというコメントがあったので、一部を紹介します。
ここまでは、お餅についての調査結果を紹介してきました。
ここからは、お雑煮の味付けについての調査結果を紹介していきます。

お雑煮の味付けは、8割以上の人が、「すまし・醤油ベース」だということがわかりました。
県別に見ても、47都道府県のうち39都道県で、すまし・醤油ベースのお雑煮が食べられています。
白味噌ベースのお雑煮は、全体の2割に満たない数となりました。
県別に見ると、白味噌ベースのお雑煮を食べる人が多いのは、福井県と近畿地方、四国の徳島県と香川県の8府県のみという結果でした。
現在、白味噌ベースのお雑煮が関西と一部の地域でしか食べられていないのには理由があります。
お雑煮は関西・京都から始まったお料理で、元々は白味噌がベースだったと言われています。
徐々にお雑煮の文化が関東の武家にも広がりましたが、武家では味噌を「みそがつく(失敗をして悪い評判がつく)」とかけ合わせ、使用するのを嫌いました。
そこで生まれたのが、すまし・醤油仕立てのお雑煮です。
時代が武家のものになるにつれ、全国でもすまし・醤油仕立てのお雑煮が広まっていきました。
その結果、白味噌ベースのお雑煮は関西と一部の地域でしか残らず、すまし・醤油ベースのお雑煮が広まったと考えられています。
お雑煮のお餅と汁には、かなり地域差があったことがわりました。
ところで、皆さんはお雑煮の具として何を入れていますか?
引越し侍では、お雑煮の具材についても調査しました。
その結果、お雑煮は具材にも地域性があるということが分かったので紹介します。
まず、どんな具材を入れる人が多いのか調査しました。
その結果、次のような結果になりました。

一番多かったのは鶏肉でした。
お正月はヘルシーな和食を食べる機会が多いので、お肉も食べたいという人が多いのでしょうか。
2位~4位は僅差で人参、かまぼこ、大根がランクインしました。
人参やかまぼこは、お雑煮に彩りを加えるために必須の具材ですよね。
大根は、入手しやすいうえに冬が旬なので、入れる人が多いようです。
続いて、具材の地域性について紹介していきます。
基本的に、どの具材も様々な地域で食べられていました。
ここでは、特定の具材を「お雑煮に入れる」と答えた人の割合が、ほかの県より多かった地域について、特に紹介していきます。
| よく食べられている地域 | 具材 |
|---|---|
| 関東以東 | 鶏肉 |
| 三つ葉 | |
| 新潟県・岡山県・鳥取県・福岡県・長崎県 | 魚類 |
| 東海地方 | 小松菜・正月菜 |
| 関西地方 | 里芋 |
| 岡山県 | ほうれんそう |
| 沖縄県 | 椎茸 |
まず、関東以東では「鶏肉」と「三つ葉」が、ほかの地域より人気が高い結果になりました。
特に鶏肉は、東北や北海道で高い人気を誇っています。
東北や北海道は寒い地域のため、冬は野菜が育ちにくく、比較的和食に合う鶏肉を入れる人が多いと考えられます。
魚類を入れるのは、新潟県と中国・九州地方の4県でした。
新潟県ではお正月に塩引鮭を食べる文化があり、お雑煮に鮭を入れる人も多いと考えられます。
福岡をはじめとする中国・九州地方の4県では、お雑煮に出世魚であるブリを入れて縁起を担ぐ人が多いそうです。
東海地方では、小松菜や正月菜(もち菜)を入れる人が多いようです。
正月菜とは、小松菜に似た葉物野菜で、主に東海地方の伝統野菜です。
似た野菜で、福岡を中心とする九州で食べられる「かつお菜」もあります。
「かつお菜」は別名「勝男菜」とも呼ばれ、福岡のお雑煮には欠かせない伝統野菜です。
関西地方は、里芋を入れる人が多い地域でした。
白味噌・丸餅のお雑煮が主流の関西では、お餅や汁と同様の白い食材や、丸い食材をお雑煮に入れる人が多いのです。
そのため、白くて丸い里芋も、関西では人気のお雑煮食材といえます。
岡山県では、ほうれんそうを入れる人が、ほかの地域より多い結果になりました。
岡山県では特に、県南の地方でほうれんそうを使うことが多いようです。
また、意外にも、椎茸を入れる人が一番多かったのは沖縄県でした。
沖縄県ではそもそも、お雑煮を食べるという昔ながらの風習はありません。
お正月に沖縄県で食べられているのは、「イナムドゥチ(イナムルチ)」という白味噌仕立ての豚汁のような汁ものです。
この「イナムドゥチ」に椎茸が入っているため、沖縄のお雑煮にも椎茸を使う人が多いのではないかと考えられます。
他にも、様々な具材についてコメントをいただいたので、特に多かった具材を紹介します。
鰹節やいくらなどは、どの地域でも比較的人気の食材でした。
伝統的な具材というわけではなく、各家庭の好みなどで入れられていることも多そうですね。
島根県では、黒豆やのりなど、黒い食材を入れるという人も多くみられました。
さらに、珍しい具材を入れているというコメントがあったので、一部を紹介します。
地域の文化として入れている具材もあれば、地域の名産品を使用していたり、家庭独自の具材を入れたりなど、お雑煮も多様化が進んでいるようですね。
また、「具材はお餅だけ」という人も、全国各地に多くいるようです。
お雑煮は具材にも、地域の特色が表れるようですね。
ほかの地域では流通すらしていない食材も使われていることもあり、お雑煮の奥深さを感じます。
古くから親しまれているお雑煮には、食べるときのマナーや作るときのルールなど、様々な風習があります。
地域によってお餅の形や汁の種類まで変わるお雑煮なので、風習も地域によって様々です。
そこで、引越し侍では地域ごとの風習についても調査しました!
まずは、様々な地域で広く行われていることが調査でわかった、お雑の風習についてご紹介します。
続いて、地域や家庭特有の風習も、一部ご紹介します。
ここまで、王道のお雑煮調査をしてきました。
ここからは、ちょっと面白いお雑煮の調査結果について紹介していきます。
まずは、お雑煮に入れるお餅の入手経路についてです。
都市部に住む人の多くは、お雑煮のお餅はスーパーなどで買うものだと考えている人も多いのではないでしょうか?
ところが、お餅は買う以外にも入手方法があるのです。

一番多いのは「市販品を購入する」と答えた人で、65%が該当します。
市販品はスーパーで売っているものを買うほか、「お餅屋さんやお米屋さんに依頼して作ってもらう」、「和菓子屋さんで買う」という人もいました。
しかし、次に多いのが「お餅をつく」という回答なのは驚きでした。
お餅をつく人の中には、餅つき機やホームベーカリーで作るという人もいるようです。
「近所の人や親せきなどからもらう」予定の人は14%でした。
「近所の農家からもらう」「両親の実家からもらう」ほか、「神社やお祭りでもらう」「町内会の餅つきでもらう」という人もいました。
「その他」の中には、「そもそもお雑煮にお餅を入れない」という声があったほか、「年によって違う」という人もいるようでした。
続いて、お雑煮を食べるタイミングについても調査しました。

お雑煮を食べるのは、8割近くの人が「元日の朝」と答えていました。
全体的に、大晦日~三が日の間に食べる人が多い結果となりました。
「その他」と答えた人は、次の4つのうちのどれかに当てはまるということがわかりました。
1年中食べる人にとっては、お雑煮はもはやお正月のお料理ではないかもしれませんね。
今回の調査からわかったことは、お雑煮の文化や風習は薄まってなくなっていくのではなく、広がっていくのだということです。
アンケートに答えてくれた人の中には、「自分の出身地の風習ではなく、両親の実家のそれぞれの風習で食べる」と回答してくれた人が多くいました。
現代は昔に比べて引越しが多く、生まれ育った地域ではない場所で暮らしていく人も増えています。
そんななかで、それぞれの地域の風習が廃れてなくなっていくわけではなく、別の地域で伝承されていくのだということがわかったのです。
また、「自分の地域には何も特徴がない」「普通の雑煮だ」と思っている人も、実際にほかの地域と比べると、特徴のあるお雑煮であることがわかるのではないでしょうか? 地域によって千差万別のお雑煮には「普通」がないため、どのお雑煮も特別なお料理になるのです。
今年のお雑煮はぜひ、違う地域のお雑煮に挑戦してみてはいかがでしょうか!
調査概要
調査対象:全国
調査方法:当サイトを利用して引越しをした方を対象に、インターネットアンケートを実施
調査期間:2019年10月18日~11月27日
サンプル数:3,992件
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