新電力の切り替え率はどのくらい？引越しで乗り換える人は増えるのか大調査！

2016年（平成28年）の4月に電力自由化が始まってから、4年以上が経ちました。

新電力には、ガス会社や通信会社、鉄道会社に家電量販店など、様々な業種が参入し、現在では1192社もの新電力会社があります。

しかし、実際にはまだまだ「大手の電力会社を利用している」という人は多いのではないでしょうか？
「どんな電力会社があるのかよくわからない」という人も少なくないことでしょう。

そこで、引越し侍では、実際のどれくらいの人が新電力に切り替えているのか調査しました。

引越し前の新電力の利用率

新電力への切り替え率を調べるにあたって、電力会社を3つに分類しました。

• 大手電力会社…東京電力や中部電力、関西電力などの旧プラン
• 大手電力会社の新プラン…東京電力のスマートライフプラン、中部電力のポイントプラン、関西電力のはぴｅタイムなど
• 新電力…ENEOSでんき、東京ガス株式会社、auでんきなど

大手電力会社でも、電力自由化に伴って、新しい料金プランを続々と提供しています。
そのため、大手電力会社の新プランも、「新電力」の1つとすることで、電力自由化の影響を調べることにしました。

まずは、引越しをする前に新電力を利用していたかどうかを調査しました。
その結果、引越し前に新電力もしくは大手電力会社の新プランを利用していた人は、全体の3分の1程度ということがわかりました。

電力自由化が始まってから4年以上が経った今でも、大手電力会社の既存プランは根強い人気があるようです。

引越しで新電力に切り替える人はどれくらい？

次に、引越し先の新居で使用する電力会社や電力プランについて調査しました。
すると、「新居では新電力もしくは新プランを利用する予定だ」と答えた人が45％になりました。

純粋に数字だけみると、引越しを機に新電力に切り替える人は、全体の約10％程度ということになります。

引越しをした人に人気の新電力ランキング

「新居では新電力もしくは新プランを利用する」と答えた人に、どの電力会社・電力プランを利用するかを調査しました。

今回1番人気があったのは、ENEOSでんきで、2位と約100票の差をつけました。

ENEOSでんきは、ガソリンスタンドのENEOSを運営する会社の新電力です。
ENEOSカードを利用することで、お得に電気を利用することができます。

2位は東京ガス、3位はauでんきでした。
2位の東京ガスは、電気とガスのセットで、auでんきはauの携帯電話とセットで利用することで、電気料金がお得になります。

このように、新電力は既存の電力プランよりお得に利用できることが多いです。
ではなぜ、引っ越し後も半数以上の人が大手電力会社の既存プランを利用する予定なのでしょうか？

新居で利用する電力会社を選んだ理由

新居で利用する電力会社を選んだ理由で、最も多かったのは、「よくわからなかった・調べるのが面倒だった」という意見でした。
たしかに、電気料金のプランや電力会社の詳しい情報など、一度見ただけでは覚えられないほど複雑なのが現状です。

2番目に多かったのは、「安くなりそうだったから」という理由でした。
電力会社を積極的に選ぶときの大きな決め手は、「料金の安さ」といえそうです。

3番目の意見は、「電力会社が指定されていた」というものでした。
賃貸物件や分譲マンションによっては、建物全体で利用する電力会社が決められていて、自分で選ぶことができない場合もあるようです。

「電力自由化」から4年以上ですが、賃貸物件などに住んでいる人たちが、完全に自由に電力会社を選べるようになるには、まだまだ時間がかかりそうですね。

【利用する電力会社別】新居で利用する電力会社を選んだ理由

新電力を選んだ人が、どんな理由で選んでいたのか詳しく見るために、利用する電力会社別に、選んだ理由を調査しました。

■新電力を選んだ理由

新電力を選んだ理由の多くが、「安くなりそう」「特典があった」など、「お得になる」というポジティブな理由でした。
2番目には「ほかのライフラインとまとめられたから」という理由がランクインしています。

ガス会社や通信会社の提供する新電力を利用する人は、「まとめて支払いたい」という人が多そうです。

■大手電力会社（新プラン）を選んだ理由

大手電力会社の新プランを選んだ人も、新電力を選んだ人と同様「安くなりそう」という理由が多数派でした。

しかし、新プランでは「指定されていた」という意見も多くあります。
大手電力会社の新プランは、賃貸物件の管理会社に人気があるようです。

■大手電力会社（既存プラン）を選んだ理由

大手電力会社を選んだ理由で一番多かったのは、「よくわからなかった」という意見でした。
以前利用していた電力会社の電力プランを、そのまま使い続けている人が多いようです。

一方、数は少ないですが「電力供給が安定しそう」「知名度が高い」といった信頼感という観点で大手電力会社を選んだ人もいました。

新電力を利用するのはどんな人？

新居で利用する電力会社を年代別でみてみましょう。
新電力を利用している人の割合が高いのは、30代と50代という意外な結果になりました。

一方、大手電力会社の新プランを選ぶ人は、世代が若くなるごとに割合が高くなっています。

続いて、地域ごとに利用する電力会社に特性があるのかどうか調べました。

都市部では新電力を選ぶ人が多く、地方では大手電力会社を選ぶ人が多いという結果になりました。

大手電力会社を選ぶ人が一番多かったのはなんと北陸・甲信越でした。
北陸・甲信越では、新電力に魅力を感じる人が少ないのかもしれません。

まとめ

利用する電気を新電力に切り替えている人は、全体の1/3程度にとどまることがわかりました。

しかし、引越し後に新電力に切り替える予定だという人は45％ほどいたので、引越しが繰り替えされれば、新電力の利用者は増えると考えられます。

新電力の中でも、ENEOSでんきや東京ガス、auでんきなど、知名度が高い電力会社は、人気が高い傾向にありました。

引越し後に大手電力会社を利用する人の多くは、新電力について「よくわからない」「調べるのが面倒」という印象を持っていることがわかります。

一方で、新電力や新プランを利用する人は、料金の安さで選んでいたことがわかりました。

つまり、新電力は料金が安くなるなどお得なことがある反面、「よくわからない・面倒」という印象を持たれているために、利用者が多くないのではないかということが考えられます。

今後、料金プランや乗り換え条件などがもっとわかりやすくなれば、利用者は増えていくかもしれませんね。