引越しのパック・プラン
高齢者の引越し、おすすめサービスと施設への入居や住み替えなどの料金相場

この記事で解決すること
- 高齢者向け引越しサービス「シニアパック」の具体的な内容やメリットがわかる
- 施設への入居・近場や遠方への住み替え・家族との同居など、シーン別の料金相場や不用品処分の費用目安がわかる
- シニア向けのプランや割引を提供しているおすすめの引越し業者がわかる
- 心身への負担(移転ストレス)や荷物整理のコツ、認知症への配慮など、高齢者の引越し特有の注意点と対策がわかる
子どもの独立や体の衰え、施設への入居など、高齢になってからの引越しにはさまざまな事情があります。
長年暮らした自宅を離れることになるため荷物も多く、体力的な不安もある中で、準備から当日の作業まで自分でこなすのは容易ではありません。
この記事では、高齢者の引越しをサポートする「シニアパック(シニアプラン)」の内容、引越しのシーン別料金相場、対応業者の紹介、そして高齢者特有の注意点までまとめて解説します。
高齢者向けの引越しサービス「シニアパック」とは
シニアパックとは、60歳以上の高齢者を対象に、引越し業者が専任アドバイザーを用意し、引越し準備から当日の作業まで一貫してサポートするプランです。
業者によって名称は「シニアプラン」「らくらくコース」など異なりますが、高齢者が安心・安全に引越しできるよう設計されている点は共通しています。
通常の引越しプランとの大きな違いは、専任アドバイザーが自宅に訪問し、荷物の整理や処分方法のアドバイス、新居のレイアウト提案など、引越し前の準備段階から関わってくれる点です。
荷造り・搬出・輸送・搬入・荷ほどきまでほぼすべての作業を業者にまかせられるため、体力的な負担を大きく減らせます。
シニアパックでできること
シニアパックでは、一般的に以下のサービスを受けられます。
- 専任アドバイザーが訪問:荷物整理のアドバイスや引越し準備をサポートしてくれる
- レイアウト提案:引越し先の間取りに合わせた家具の配置を提案してくれる
- 荷造り・梱包対応:衣類・食器・家電などプロが丁寧に梱包してくれる
- 大型家具・家電も対応:養生・搬出・搬入まで業者がおこなう
- 荷ほどき・片付けも対応:新居での収納まで任せられる
- 不用品の買取・処分:対応業者であれば一括で依頼できる
- 各種手続きの代行:住所変更などの手続きもサポートしてもらえる
シニアパックの注意点
専任アドバイザーの訪問回数や対応時間は業者によって上限が設けられている場合が多く、超過すると追加料金が発生することがあります。
また、依頼内容が多くなるほど料金は割高になります。引越しが決まったら早めに業者へ連絡し、準備期間を十分に確保することが大切です。
高齢者の引越しの料金相場
高齢者の引越しは荷物量が多くなりやすく、シニアパックを利用する場合は通常プランより割高になる傾向があります。
また、引越しのシーンによって費用の内訳が大きく異なります。以下に場面別にまとめました。
施設へ入居する場合
老人ホームや介護施設への入居では、居室のスペースが限られるため、自宅の荷物のほとんどを処分・整理する必要があります。
施設に持ち込める荷物の目安は「1週間分の旅行に持っていく量」と言われており、衣類・タオル・洗面用具・趣味の品など私物が中心です。
大型家具・家電・食器類などのほとんどは持ち込めないため、不用品の処分費用が引越し全体のコストの大きな部分を占めます。
■引越し運搬費用(施設への入居)
内容 | 費用目安 |
|---|---|
衣類・日用品のみ(自家用車で搬入可能な場合) | 0〜数千円(ガソリン代程度) |
衣類・日用品+小型家具数点(引越し業者利用) | 15,000〜40,000円程度 |
衣類・家電・小型家具を含む場合 | 30,000〜80,000円程度 |
※荷物量・距離・業者によって異なります。
■不用品処分費用の目安
処分方法 | 費用目安 |
|---|---|
自治体の粗大ごみ回収(1点ごと) | 400〜4,000円/点 |
不用品回収業者(軽トラック積み放題プランなど) | 10,000〜30,000円 |
不用品回収業者(2トントラック程度・家具多数) | 30,000〜80,000円 |
引越し業者に不用品回収も依頼(まとめて) | 引越し料金に加算(要見積もり) |
※くらしのマーケット・各業者情報をもとに掲載(2025年)
家電リサイクル法の対象品(テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機)は別途リサイクル料金がかかります(500〜5,000円/台程度)。
引越し業者がまとめて対応してくれる場合もあるため、見積もり時に確認しましょう。
近場へ住み替える場合
同一市区町村内や近隣市への住み替えでは、荷物量が多い高齢者の場合でも比較的費用を抑えやすいのが特徴です。
高齢者は長年暮らした自宅の家財が多いため、通常の単身引越しよりも荷物が多いことを前提に料金を計算する必要があります。
■通常期(5月〜1月)の料金相場(近距離:15km以内)
世帯 | 荷物量の目安 | 料金相場 |
|---|---|---|
単身(1人) | ダンボール20〜30箱・家具数点 | 40,000〜70,000円 |
夫婦(2人) | ダンボール30〜50箱・家具・家電多数 | 80,000〜130,000円 |
※高齢者は荷物が多くなりやすいため、通常の単身・2人暮らし相場より高めに算出しています。
■繁忙期(2月〜4月)の料金相場(近距離:15km以内)
世帯 | 荷物量の目安 | 料金相場 |
|---|---|---|
単身(1人) | ダンボール20〜30箱・家具数点 | 60,000〜100,000円 |
夫婦(2人) | ダンボール30〜50箱・家具・家電多数 | 100,000〜180,000円 |
※繁忙期は通常期と比べ1.3〜1.5倍程度高くなる傾向があります。
参考:近距離引越しの費用相場はいくら?1km以内・市内の費用を安くする方法
離れたところへ住み替える場合
他県への引越しや長距離の住み替えでは、距離が長くなるほど運賃・高速代・人件費がかさみ、費用は大きく上がります。
■通常期(5月〜1月)の料金相場(長距離)
距離 | 単身(荷物多め) | 夫婦(2人) | 備考 |
|---|---|---|---|
〜100km(近距離) | 50,000〜80,000円 | 100,000〜150,000円 | |
〜500km(東京〜大阪程度) | 80,000〜130,000円 | 150,000〜230,000円 | |
500km超(東京〜札幌・福岡以上) | 120,000〜200,000円 | 230,000〜350,000円 | コンテナ便・混載便で削減可 |
※高齢者の荷物量を加味した目安料金です。実際の料金は業者・荷物量・時期により異なります。
■繁忙期(2月〜4月)の料金相場(長距離)
距離 | 単身(荷物多め) | 夫婦(2人) | 備考 |
|---|---|---|---|
〜100km(近距離) | 70,000〜120,000円 | 150,000〜210,000円 | |
〜500km(東京〜大阪程度) | 110,000〜180,000円 | 210,000〜330,000円 | |
500km超(東京〜札幌・福岡以上) | 150,000〜260,000円 | 300,000〜460,000円 |
※繁忙期は通常期と比べ1.3〜1.5倍程度高くなる傾向があります。
参考:長距離(県外)引越しにかかる費用相場はいくら?混載便の料金と対応するおすすめ業者を紹介
家族と同居する場合
子ども家族との同居では、相手の家の間取りや収納スペースに合わせて荷物を絞る必要があります。
施設入居ほど荷物を減らす必要はありませんが、大型家具や家電の多くは新居で不要になるケースが多く、不用品処分の費用が別途かかる点は施設入居と同様です。
特に新しく家を建てたり、大規模なリフォームをしている場合は、家具・家電をすべて新調することも多く、旧居の荷物はほぼ処分になるケースもあります。
持ち込める私物の量は施設に比べて多いため、衣類や趣味の品、思い出の家具など一部は持参できます。
■引越し料金相場(同居・近距離の場合)
世帯 | 距離 | 通常期 | 繁忙期 |
|---|---|---|---|
単身(1人) | 近距離(〜15km) | 40,000〜70,000円 | 60,000〜100,000円 |
単身(1人) | 長距離(500km超) | 100,000〜160,000円 | 140,000〜220,000円 |
夫婦(2人) | 近距離(〜15km) | 70,000〜120,000円 | 100,000〜170,000円 |
夫婦(2人) | 長距離(500km超) | 180,000〜280,000円 | 250,000〜380,000円 |
※家族と同居する場合は大型家具・家電を持ち込まないケースが多く、荷物量に応じて料金は変動します。
不用品の処分費用は別途10,000〜100,000円程度かかる場合があります(家具・家電の量による)。
引越し業者に不用品回収も合わせて依頼することで、まとめて対応してもらえる場合もあります。
「シニアパック」が利用できる引越し業者
シニアパックに対応している主な引越し業者をご紹介します。各社でサービスの内容・名称・対応範囲が異なります。
アート引越センター
アート引越センターでは「アートエプロンサービス」として、暮らしの整理士の資格を持つスタッフが自宅を訪問し、荷物の整理整頓についての無料アドバイスをおこないます。
引越し先の収納の使い方や不用品の処分方法など、高齢者の「片付けから始まる引越し」をサポートしてくれます。
ハート引越センター
専任の担当者とサポートレディが打ち合わせから引越し後のケアまで一貫してサポートします。
引越しに不安を感じる高齢者に寄り添った対応が特徴で、荷造りから荷ほどきまで丁寧にサポートしてくれます。
アーク引越センター
60歳以上のシニア夫婦が対象の割引が設けられており、最大20%OFFで利用できます(条件あり)。大型家具・家電の荷造りから搬入、家具の配置まで対応しています。
料金面で悩んでいる高齢者にとって利用しやすいのが特徴です。
ハトのマークの引越センター
標準サービスのらくらくプランに加えて、引越し当日に「引越管理士」の資格を持つスタッフが一日立会いをしてくれるプランを用意しています。
当日の細かいご要望にも対応できるため、不安を感じやすい高齢者も安心して任せられます。
参考:ハトのマークの引越センターの口コミ・評判と見積もり料金相場
高齢者の引越しで気をつけたいこと
引越しのストレスと体への負担
高齢者にとって引越しは体力的な負担だけでなく、精神的な負担も大きくなりがちです。長年住み慣れた家を離れることは、生活リズムや人間関係の変化を伴い、強いストレスにつながることがあります。
このストレスが心身に悪影響を及ぼす状態を「リロケーションダメージ(移転ストレスシンドローム)」と呼び、不眠や抑うつ状態が現れることがあります。
引越しの準備は早めに始め、無理のないスケジュールで進めましょう。荷造りなど体力を使う作業はシニアパックを活用してプロに任せ、本人の負担をできるだけ減らすことが大切です。
片付けと荷物の整理について
高齢者の引越しで特に時間がかかるのが荷物の整理・片付けです。長年暮らした家には大量の荷物が蓄積されており、「何を持っていくか・何を処分するか」の判断だけで数週間かかることもあります。
本人が判断に迷う場合は無理に急かさず、家族が一緒に整理を手伝いましょう。
引越し業者の専任アドバイザーに整理のサポートを依頼することも有効です。また不用品回収業者を早めに手配しておくと、粗大ゴミの処分がスムーズに進みます。
遺品整理・生前整理との違い
高齢者の引越しでは、不要になった大量の荷物の処分に「遺品整理業者」や「生前整理サービス」を活用するケースも増えています。
遺品整理業者は、亡くなった方の荷物整理だけでなく、存命中の生前整理にも対応している業者が多く、引越し前の荷物の仕分け・処分をまとめて依頼できます。
費用は荷物量・作業内容によって大きく異なりますが、一般的に1Kの部屋で30,000〜80,000円程度が目安です。
引越し業者の不用品回収サービスと比較しながら、状況に合った方法を選ぶとよいでしょう。
認知症・認知機能の低下への配慮
引越しによる急激な環境変化は、認知症のある方の症状を悪化させる可能性があります。新しい部屋の間取りがわからなくなる、慣れない環境に混乱するなどの症状が出ることがあります。
そのため、できるだけ旧居の家具配置に近い形で新居を整えることが有効です。
また、引越し前に何度か新居を訪れ、少しずつ環境に慣れてもらうことも大切です。認知機能が低下している場合は、引越しの決定や準備において本人の意思を確認しながら、家族が中心となってサポートしましょう。
引越し後の孤立・うつへの対策
引越しによって長年のご近所付き合いや生活圏が変わると、高齢者は孤独感を感じやすくなります。人と話す機会が減り、外出もしなくなることで、うつ状態や認知症のリスクが高まることがあります。
引越し後は家族が積極的に連絡・訪問し、コミュニケーションを途絶えさせないことが大切です。
新しい地域の老人クラブやサークル、地域包括支援センターなど、社会とのつながりを作る場に積極的に参加できるよう、家族がサポートしましょう。
まとめ
高齢者の引越しは、一般的な引越しと比べて荷物が多く、体力的・精神的な負担が大きいのが特徴です。
シニアパックを利用することで、専任アドバイザーのサポートのもと、準備から当日の作業まで安心して任せられます。
費用は引越しのシーンによって大きく異なります。施設入居や家族との同居では不用品処分の費用が大きなウェイトを占め、住み替えでは距離や荷物量が料金を左右します。
複数の業者に見積もりを取り、シニアパックの内容と料金を比較して選ぶことをおすすめします。
引越しのシーン | 引越し運搬費用 | 不用品処分費用 | ポイント |
|---|---|---|---|
施設への入居 | 1.5万〜8万円 | 1万〜8万円以上 | 荷物は最小限に |
近場への住み替え | 4万〜13万円 | 状況による | 荷物量が料金を左右 |
遠方への住み替え | 8万〜35万円以上 | 状況による | 距離で大きく変動 |
家族との同居 | 4万〜28万円 | 1万〜10万円以上 | 家具・家電の処分量による |
※いずれも目安です。実際の料金は荷物量・距離・業者・時期により異なります。
引越し業者にシニアパックで相談する際は、「どこまで対応してもらえるか」「専任アドバイザーの訪問回数」「不用品の処分も対応しているか」を事前に確認しておくとスムーズです。複数の業者から見積もりを取り、内容と料金を比べて最適な業者を選びましょう。
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