更新日: 2024年6月27日
引越しの見積もりをすると、業者から「今この場で契約すれば安くなります」と、即決を迫られることがあります。
引越し業者に即決を迫られたときに気になるのが、「その場でサインしても得なのか損なのか」ということですよね。
結論から言うと、即決に応じても損をすることはほとんどありません。
特に、3月~4月の繁忙期では、即決で提示される価格が底値の可能性が高いです。
繁忙期以外の時期でも、帰り便など引越し業者が空きのトラックや作業員の時間を有効に使えると判断する場合、即決料金はほとんどが最安値です。
しかし、一部では引越し見積もり時に即決することによって損をしてしまうこともありますので、即決する場合は慎重におこないましょう。
ここからは、引越し見積もりで即決を求められる理由と、即決で損をしない方法について紹介していきます。
目次
引越しの見積もりをもらい、その場で即決をしても、キャンセルは可能です。
また、引越しのキャンセル料については、引越し日の3日前までならば発生しません。
なぜなら、引越しのキャンセル料については、国土交通省の標準引越運送約款(やっかん)によって「引越し日の3日前までなら発生しない」と決められているからです。
標準引越運送約款におけるキャンセルについての詳細は、以下のとおりです。
つまり、引越し日の3日前までならば、見積もりの場で即決したとしても、キャンセル料なしでキャンセルができるので、即決しても損をすることはありません。
ただ、キャンセルについては引越し業者によって異なる点があるので、注意が必要です。
例えば、ダンボールなどの梱包資材をすでに受け取っている場合や、エアコンの取り外しなどを外注してしまっている場合、キャンセル料とは別に費用が必要になることもあります。
そのため、見積もりを取った段階ではキャンセルする意思がなくても、念のためキャンセルした際の対応について、確認しておくことが大切です。
引越しの訪問見積もり時に即決を求められて、断りたい場合の対処法について、例文をあげて紹介します。
即決を断りたい場合の最も効果的なセリフは、「私には決定権がない」というものです。
自分としては決めてもいいと思うけれど、決定権がその場にいない夫や妻にある、と引越し業者に言い切ってしまいましょう。
夫婦で立ち会う場合には、「会社に決定権がある」などと、とにかく決裁権がないことをアピールしましょう。
こうすることで、営業担当者はそれ以上強く勧めることができなくなるでしょう。
もうひとつの効果的なセリフは、正直に「ほかの業者と比較したい」と伝えることです。
この場合、「値引きするので」「特典をつけるので」といわれる可能性はあります。
これに対しては、「値引きについても他者と比較したい」「○時に出かけるので、今日はもう時間がない」などといって断りましょう。
どうしても断れなさそうな場合には、訪問見積もりの日時を決める段階で、「即決はできない」と伝えておくことも作戦です。
引越し見積もり後のキャンセル方法については、「引越し見積もり後のキャンセルに料金はかかる?業者へ連絡する際の上手な断り方」も参考にしてみてください。
引越しの見積もり時に即決を求められる理由は、引越し業者の状況によって以下の3通りです。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
引越し業者が訪問見積もり時に即決を求める理由の1つは、営業スタッフの手間を省きたいからです。
業者の言い値で契約がすぐに取れれば、営業スタッフとしても何度も電話や訪問をしなくてすむので楽ですよね。
また、競合他社の見積もり価格を出されて価格交渉をされるよりも、最初から値下げした金額を提示することで、効率的に契約を取ろうという作戦でもあります。
特に繁忙期になる3月、4月の前には、業者もできるだけ効率的に契約を取りたいので、この時期に即決を求められた場合は底値である可能性が高いでしょう。
2つ目の理由は、引越し業者側の業務効率の都合で、強めの契約交渉にでている場合です。
引越し業者にとって、1日の間で作業がない空き時間ができると、コストパフォーマンスが悪くなります。
そのため、引越し業者は、できるだけ作業効率をあげて、1日に行う引越しの件数を増やしたいと考えています。
業者にとっての理想は、トラックが1日中稼働していて、搬入・搬出が滞りなく続くパターンです。
特に引越し業者は、1日を朝、昼、夜に分けて、3件の引越しを行うケースが多くあります。
下の図のように、朝と夜は作業が入っていて、昼だけ空いている場合、昼にも引越しを入れて、作業効率を上げたいと考えます。
この場合、空いているお昼の時間に引越ししてくれる利用者が入れば、トラックや人手が無駄にならなくて済みます。
そこで、即決で昼の時間帯の契約を取るために、安い価格を提示してくるというわけです。
残念なことに、業者の中には営業トークで即決を進めてくるところもあります。
場合によっては、嘘をついてまで契約を取ろうとすることもあるので注意が必要です。
引越しに関する知識が少ない利用者が多いため、そうした点を逆手にとり、本音を隠して、うまく業者に得になるような契約を結ばせようとしてきます。
こうした業者と即決で契約してしまうと、損をしてしまう可能性が高くなります。
ただ、よい業者なのか悪徳な業者なのかを見極めることは、とても難しいですよね。
ここから先は、即決することのメリット・デメリット、即決する際に抑えておきたいポイントについて解説します。
よく理解して、損のない引越しができるようにしてください。
相見積もりを取ろうと思っていたけれど、1社目で即決を勧められて悩んでしまうというケースは少なくありません。
本来であれば、引越しの見積もりは複数社に依頼する「あいみつ」で相場を把握してから、契約業者を決めることをおすすめします。
ただ、訪問見積もりの場合は、1件の業者対応に1、2時間の所要時間がかかるため、これが複数社となるとかなりの時間を必要とします。
忙しい人にとっては面倒に感じる場合もあるでしょう。
では、相見積もりをせずに1社で即決すると損をするのでしょうか。
以下は、1社で即決するメリット・デメリットについてまとめた表です。
メリット | デメリット |
---|---|
・引越し業者を選ぶ手間が省ける ・引越し作業が早くはじめられる |
・見積もりの相場がわからないまま契約することになる ・業者によってサービスが異なるため、比較することができない |
相見積もりをしなければ、当然1社だけとのやりとりだけで契約が成立するため、時間の短縮ができます。
引越しを急いでいる場合には、大きなメリットです。
しかし、1社しか見積もりをしない場合には、引越し費用の相場を把握できないため、場合によっては損をしてしまうこともあるでしょう。
また、引越し作業の範囲は、業者によって異なります。
作業内容の範囲を比較せずに決めてしまうと、後から追加料金を請求されることもあるので、注意が必要です。
特に、急いでいない人、引越し経験が少ない人の場合は、訪問見積もりでは3、4社、電話やリモートでの見積もりなら6社以上を比較することをおすすめします。
このように、時間的余裕がある人ならば、複数社を比較することで、最も安い料金の引越し業者や、決め手となるサービスを見つけるほうが、メリットが大きいと言えます。
しかし、時間がない人の場合には、1社や少ない数の引越し業者で決めざるを得ない場合があります。
そうした人に向け、引越し見積もりの即決で損をしない方法を紹介していきます。
引越し見積もり時の即決で損をしない方法は大きく2つです。
2つの方法をそれぞれ詳しく見てみましょう。
引越しの見積もりで損をしないためには、まず自分と同条件の引越し料金の相場を把握しておくことです。
だいたいの料金だけでも予測がつけば、即決を求めてくる業者から提示された条件が、損なのか得なのかを判断する材料になるからです。
引越し料金の相場は、荷物量、移動距離によって金額が決まります。
これに加えて、繁忙期など時期によって変動します。
単身者、3人、4人、5人の引越しで、どの程度金額に差額が生じるのかを、以下の表にまとめておきますので参考にしてください。
単身 (荷物少ない) |
単身 (荷物多い |
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全平均 | 平均 34,560円 | 平均 42,000円 | 平均 70,000円 | 平均 76,000円 | 平均 80,000円 | 平均 81,000円 |
~15km未満 (同市区町村程度) | 平均 27,000円 | 平均 32,400円 | 平均 60,000円 | 平均 70,000円 | 平均 72,800円 | 平均 80,000円 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 平均 30,000円 | 平均 35,000円 | 平均 66,000円 | 平均 80,000円 | 平均 99,600円 | - |
~200km未満 (同一地方程度) | 平均 41,750円 | 平均 50,000円 | 平均 97,000円 | 平均 100,000円 | 平均 100,000円 | - |
~500km未満 (近隣地方程度) | 平均 54,000円 | 平均 70,000円 | 平均 139,660円 | 平均 159,750円 | 平均 180,000円 | 平均 200,000円 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 平均 65,940円 | 平均 90,000円 | 平均 180,000円 | 平均 220,000円 | - | 平均 200,000円 |
単身 (荷物少ない) |
単身 (荷物多い |
2人家族 | 3人家族 | 4人家族 | 5人家族以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全平均 | 平均 52,000円 | 平均 70,000円 | 平均 100,000円 | 平均 119,900円 | 平均 130,000円 | - |
~15km未満 (同市区町村程度) | 平均 35,640円 | 平均 44,000円 | 平均 80,000円 | 平均 100,000円 | 平均 102,715円 | 平均 105,000円 |
~50km未満 (同都道府県程度) | 平均 44,000円 | 平均 54,000円 | 平均 95,000円 | 平均 116,900円 | 平均 147,300円 | - |
~200km未満 (同一地方程度) | 平均 61,000円 | 平均 81,000円 | 平均 145,000円 | 平均 180,000円 | 平均 200,000円 | - |
~500km未満 (近隣地方程度) | 平均 90,000円 | 平均 115,000円 | 平均 198,000円 | 平均 259,200円 | 平均 260,000円 | 平均 328,000円 |
500km以上 (遠距離地方程度) | 平均 100,000円 | 平均 140,000円 | 平均 300,000円 | 平均 320,000円 | 平均 345,600円 | 平均 350,000円 |
※掲載している相場料金は引越し侍の利用ユーザーのアンケート(過去4年分)から算出しております
※相場は市場の変化等により大きく変動する場合がございますので、あくまで目安としてご利用ください
以上の平均相場を参考に、自分の引越し料金の目安を把握し、引越し業者の見積もりに備えてください。
引越しの見積もりを取る前に決めておきたいのは、予算です。
あらかじめ予算を決めておけば、見積もり金額が提示されたときも冷静に判断することができるでしょう。
たとえば、業者に即決を進められたときでも予算が決まっていれば、その金額を基準に差額がマイナスなのかプラスなのかを判断できます。
引越しの予算についは、先に紹介した引越し料金相場をもとに検討してみてください。
提示された見積もり料金総額が予算内であり、自分の条件に合致する内容であれば、即決しても損をすることはないでしょう。
また、提示金額が予算よりも少しだけ高かった場合には、「○○円なら即決できます」と価格交渉してみるのもひとつの方法です。
ここまで、引越し見積もり時に即決をしても損をしない方法について紹介してきました。
しかし、引越し費用を安くする方法は、他にもあります。
以下で詳しく紹介していきます。
即決しなくても引越し費用を抑える方法には、以下のものが挙げられます。
引越しの日時を指定しない「フリー便」を利用することで、引越し見積もりを安くできます。
なぜなら、引越し日時をお任せにすることで、引越し業者の作業効率があがるからです。
例えば、引越し業者は朝、昼、夜の3回引越しすることが多いですが、朝と夜しか埋まっていない場合、昼の時間のトラックや作業員が無駄になってしまいます。
そのため、この空いた昼の時間に引越しを入れることができるフリー便は、引越し業者にとっても都合が良いため、料金を安くして提供しているのです。
訪問見積もりの順番を工夫して値引き交渉することで、即決せずに見積もりを安くできます。
なぜなら、第一候補の引越し業者の訪問見積もりを最後にすれば、その前の業者を断りやすくなる上に、値引き交渉もしやすいからです。
この方法を使えば、本命の引越し業者の見積もり時に、「他の引越し業者はこの金額で見積もりをくれた」と効果的な値引き交渉ができます。
少しでもお得に引越しがしたいなら、引越し侍の「引越し一括見積もりサービス」がおすすめです。
一括見積もりサービスを利用すれば、簡単に一番安い引越し業者を見つけることができるからです。
引越し侍の引越し一括見積もりサービスでは、一度の情報入力で、最大10社から見積もりをもらうことができます。
少しでも引越し料金を安くしたい人は、ぜひ利用を検討してみてください。
その他の引越し見積もり料金を安くする方法については、「引越し見積もり料金を安くする10の方法」で紹介しているので、参考にしてみてください。
引越しの見積もりで即決するかどうか迷っている人に向けて、ポイントやメリット・デメリットを紹介してきました。
訪問見積もりを依頼すると営業担当者に、即決を求められることがあります。
即決を求められた時の対策を事前に知っておくと、安心して訪問見積もりに立ち会えますね。
このようなポイントについて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
これらのポイントをしっかりと確認した上で、各社の見積もり額を比較して最終的に依頼する業者を決めるようにしましょう。
引越しの見積もり相場と料金は、以下のサービスから確認ができます。
どちらのサービスも、単身・家族どなたでも24時間無料で見積もりの依頼ができます。
また、引越し業者の選び方が分からない人は、料金や口コミ・評判を参考にしてください!サービスの利用後に「引越しの準備やることリスト」もプレゼントしています。
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