更新日: 2024年10月8日
「訪問見積もり」とは、依頼者の自宅へ引越し業者の営業担当者が訪問し、荷物の量や家屋周りの道幅などの周辺環境を下見したうえで、見積もり金額を算出する行程のことです。
見積もり金額に納得ができればその場で契約することも可能で、契約をせずにそのまま帰ってもらうこともできます。
このページでは、訪問見積もりの依頼から終了までの一連の流れと、訪問見積もりにかかる所要時間の目安などを解説しています。
また、訪問見積もりをしてもらうにあたっての、部屋の片づけや見積もり金額の確認といった注意点もまとめています。
目次
引越しの訪問見積もりは、大まかに次のような流れで行われます。
引越し業者に見積もり依頼の電話をしたら、即日~1週間以内に、訪問見積もりが行われます。
なお、見積もりの一連の作業は無料で受けることができるので、「有料なの?」と気にする必要はありません。
また、多くの引越し業者が挨拶時に粗品(食器洗剤、ティッシュなど)をプレゼントするキャンペーンもおこなっています。
もちろん、こういった粗品に対しての料金を請求されることはありませんので、ありがたくいただきましょう。
引越し見積もりのキャンペーン比較!特典やプレゼントがある業者まとめ
ここからは、訪問見積もりの流れについて詳しく説明していきます。
引越し業者のウェブサイトや、タウンページ等に掲載されている電話番号に連絡します。
電話をすると、多くの引越し会社の場合は全国から寄せられる“問い合わせ専用のコールセンター”につながり、以下の内容がヒアリングされます。
訪問見積もりは、依頼者が住む地域を担当する営業支店のスタッフが行います。
そのため、コールセンターでは引越しの大まかな内容を聞き、対応する地域の営業支店に折り返しの連絡をするよう指示を出します。
コールセンターのヒアリングが終わったら一度電話を切り、営業支社から折り返しの電話が来るのを待ちます。
折り返しの電話では、引越し業者が見積もりのために来訪する日時を調整します。
引越し業者が忙しい2月~4月以外の時期であれば、依頼をする時間帯によっては即日対応をしてくれるでしょう。
もし、過去に同じ引越し業者を使ったことがあれば、訪問見積もりが不要になる可能性もあるので、ここで伝えておきましょう。
訪問見積もりを依頼するためには、引越し業者に直接連絡する以外に、もう一つ方法があります。
それが、引越し侍の「引越し一括見積もりサービス」を利用するという方法です。
一括見積もりサービスは、複数の業者にまとめて見積もりを依頼できるサービスですので、特に以下のような人におすすめです。
引越しの見積もり料金は、引越し業者によって大きく差が出ることがあります。
少しでも安く引越しがしたい人は、複数の引っ越し業者に見積もりを取るのがおすすめです。
電話で打ち合わせをした日時になると、訪問見積もりスタッフが下見にやって来て、訪問見積もりを行います。
引越し代金の算出やトラックの大きさを決めるため、営業担当が荷物の置いてあるすべての部屋を見て回り、総量を見積もりします。
特に忘れずに確認してもらうべきポイントは4つあります
クローゼットの中を見られるのが恥ずかしい場合は、クローゼットの大きさとそこに入っている荷物の種類・量などを伝えましょう。
家にある収納スペースは、中身と量をしっかり伝えることで、当日のアクシデントを防ぐことができます。
また、持っていく予定のない荷物がもしあれば、伝えておくことで見積もり金額が安くなる可能性があります。
「引越しの希望日」や「依頼する作業の詳細内容」などを営業担当者へ伝えます。
その他にも以下の内容が聞かれるので、スムーズに答えられるように準備しておきましょう。
荷物と引越し内容の確認が終わったら、作業内容の説明をしてもらいます。
ここで引越し業者のパンフレットなどをもらい、特徴や強みなどが説明されます。
金額面以外で引越し業者を選ぶポイントになるので、よく聞いておきましょう。
説明が全て終わると、見積もり金額が提示されます。
もし金額に納得ができなければ、このタイミングで交渉を行います。
営業担当者と交渉をして金額に折り合いがつけば、本部に確認を取ってもらい、改めて見積もり金額が確定します。
ここで注意したいポイントとしては、「見積書イコール契約書ではない」という点です。
他の業者にも見積もりを依頼している場合や、金額に納得できない場合は、契約をせずそのまま見積もりを終了してもかまいません。
金額や見積もり内容に納得できれば、その場で契約をすることも可能です。
多くの引越し業者では、契約をするとダンボールをもらうことができます。
引越し見積もり時にダンボールはもらえる?業者にもらえる枚数とその他の入手方法
引越しスタッフが訪問見積もりにくる前に準備しておくポイントは以下の通りです。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
基本的に訪問見積もりでは、家具の引き出しを開けて中身を確認することはなく、服や小物などは収納に収められていると仮定して荷物量を算出します。
この際、部屋が散らかっている(収納に収められていない)状態では荷物の量を見誤ることがあるので、なるべく片づけておきましょう。
見積もりでは荷物量に応じてトラックの大きさを決めるため、総量を間違えてしまうと“トラックに荷物が入りきらない”ことや逆に“トラックが大きすぎて荷台がスカスカ”となる場合があります。 もちろん、トラックに荷物が入りきらなければ追加の配送手配が必要になります。
逆に、トラックが大きすぎた場合には“トラックのサイズは大きくなるほど金額は高くなる”ので余分に料金を支払うこととなり、部屋を片付けていないことで損をする可能性もあります。
また、あまりにも部屋が散らかっていたり、汚かったりすると引越し業者から依頼を断られる事もあります。
この場合、直接的に断られることはありませんが、異常に高い見積もり料金を提示するなどして遠まわしに断られてしまいます。
いずれにせよ、最も遅くても引越し当日までには荷造りを済ませる必要があるので、訪問見積もりの段階で部屋の荷物を整理し、掃除をしておくことをオススメします。
参考:引越し見積もり時は荷物を片付けるべき?
「訪問見積もりは家のどこまで見るの?」と疑問を持っている方もいるでしょうが、訪問見積もりでは「荷物が置いてある部屋」と「収納の全て」をチェックすることで荷物量を把握してもらいます。
そのため、訪問見積もり時は押し入れ・クローゼットや部屋の扉を開けておくとスムーズに事が運び、時短につながります。
また、「見られても良い部屋やクローゼットなどの収納の扉は開けておき、見られたくないものは閉じる」と決めておくことで、誤って見られたくないものを見られてしまうリスクを減らすこともできます。
「訪問見積もりで見られるのが嫌な荷物がある」という場合は、トイレや風呂場などへ一時的に荷物を避難させましょう。
トイレやお風呂にある荷物量はどこの家庭でもそれほど大きく差が無いので、営業担当が確認をすることが滅多ないからです。
ただし、見られたくない荷物があまりにも大きい場合は、積載するとトラックのサイズなどに影響することもありますので、念のため口頭で伝えておくようにしましょう。
引越し業者によっては事前に家財や荷物のリストを回収してくれる会社もありますし、「部屋の何割が埋まっているか」という情報で見積もりを算出してくれるケースもあるようです。
引越し侍でアンケート集計したところ、約91.4%の人が20分以内に訪問見積もりを終えていることがわかりました。
条件によっても変わりますが、訪問見積もりには余裕を持って30分~小一時間ほどの時間を確保しておけば良いでしょう。
<訪問見積もりにかかった時間:円グラフデータ>
<訪問見積もりの所要時間:アンケートの集計結果>
訪問見積もりにかかった時間 | 回答数 | 割合 |
---|---|---|
10分未満 | 1572 | 41.8% |
10分以上~20分未満 | 1868 | 49.6% |
30分以上~40分未満 | 227 | 6.0% |
40分以上~50分未満 | 46 | 1.2% |
50分以上 | 50 | 1.3% |
※当ぺージ全てのアンケート実施機関2016年2月22日~2016年4月18日
※データ総数3,763件
ただし、世帯別では単身は訪問見積もりの時間が少なく、家族は少し長くなる傾向にありました。
家族世帯は単身者よりも荷物量が多いので、営業スタッフがチェックするのにかかる時間が増えるためです。
もし、時間に余裕がなく早く訪問見積もりを終わらせたいのであれば、荷物を一か所に集めておいたり、目視しやすいように事前に片づける等の準備をしておきしょう。
訪問見積もりでは、「見せられない部分」は少ないほど正確な見積もりを取ることができます。
とはいえ、見積もりを行うスタッフが部屋の隅々まで見るかというと、そうでもありません。
荷物の量が多くなりがちで、人によって量に差が出るような「居住スペース」や、その中にある収納スペースは、特に見られることが多いです。
訪問見積もりで特に確認される場所
一方、人によって荷物の量に差が出にくい場所や、荷物量に想像がつきやすい場所、人に見せにくい場所などは、あまり見られることはありません。
訪問見積もりで確認されにくい・ほとんど確認されない場所
また、クローゼットの中などは「見られたくない」という人が多いため、口頭で中身の確認だけで済むことも多いです。
クローゼットなどを確認するときのポイント
ただし、訪問見積もりまでに片付ける時間がないからといって、クローゼットや押し入れに荷物を押し込めてしまうと、見積もりスタッフが荷物量を正確に把握することができなくなってしまいます。
想定している荷物量に差がありすぎると、引越し当日になって追加料金を請求されたり、引越しができなくなったりする可能性があります。
そうならないために、訪問見積もりの前はできるだけ部屋を片付けておくことが大切です。
見積もりの際に確認不足でいると、引越し当日にトラブルになることもあります。
思わぬトラブルに発展しないようにするためは、見積もりの際に契約内容をしっかり確認しておくことが大切です。
特に確認しておきたいポイントは5つあります。
ここからは、それぞれの確認項目について、詳しく紹介していきます。
運送条件は最も重要な確認項目です。荷物の運送には2種類の契約内容がありますので、必ずどちらか確認しましょう。
積みきり契約 |
当日に使うトラックの荷台に載る分だけの荷物を運送する契約 トラックに載せ切れない荷物は運送してもらえない |
---|---|
全積み契約 |
依頼した荷物をすべて運んでもらう契約 手配したトラックに載り切らない場合でも責任を持って移転先に運送してもらえる |
「依頼者は“全積み契約”で依頼したつもりでいたが “積みきり契約”であったためすべての荷物を運んでもらえなかった!」というトラブルがたまに起こります。
上記は、訪問見積もりの際に運送条件の確認しなかったために発生してしまった問題です。
特別な理由がない限りは依頼したすべての荷物を運んでもらえる“全積み契約”をオススメします。
依頼した荷物と数量がすべて記載されているか確認。営業担当が訪問見積もりで「運べる」と言っていても見積書に記載のない荷物は運んでもらえません。
不用品回収やエアコン・冷蔵庫・洗濯機などの取り付け・取り外しなどは、「オプションサービス」にあたります。
依頼したいオプションサービスが全て見積もりの中に入っているか確認しましょう。
オプションサービスの確認項目
特に、不用品回収や電気工事などは、引越し業者から別の業者に依頼して作業をしてもらうことが多いです。
別の業者に依頼内容がしっかり伝わっていないと、当日急いで対応ということが難しい場合も多いので、しっかり確認しておきましょう。
もし、依頼する業者が決まったら、それ以外の見積もりを取った業者に対して断りの連絡をしなければなりません。
キャンセルの理由は「引越しの予定がなくなった」「旦那が勝手に他の業者に依頼してしまった」など何でもかまいませんが、訪問見積りをした引越し会社は依頼者からの返事を待っているので、はやめに断りの連絡をしましょう。
キャンセル連絡が入れづらいという人は、「引越し見積もり後のキャンセルに料金はかかる?業者へ連絡する際の上手な断り方」を参考にしてください。
引越約款とは、“引越運送および附帯するサービスへのルール”のことです。
引越しの見積もり料金の算出方法や、依頼をキャンセルをする際の取り決めなどが記載されています。
一般的には国土交通省が定めた『標準引越約款』が採用されていますが、独自の約款を採用している引越し業者もありますので、確認が必要です。
まずは、あらかじめ『標準引越約款』に目を通しておくのをおすすめします。
独自の約款を定めている業者に対しては「標準引越約款との違いを説明してほしい」と伝えると、すべてを確認する手間が省けます。
それだけでなく、引越し業者側にも「この人は引越しに詳しいから丁寧に営業を進めよう」と思わせることができます。
訪問見積もりに力をいれている「中村引越センター」さんに、よくある質問についてお話を聞いてみました。
引越し業者によって対応内容は異なりますが、現場の声をぜひ役立ててください。
今回ご協力いただいた引越し業者
椛山 大資(かばやま だいすけ)/営業
たくさんのお客様の困った!を解決する、福岡県にある引越し業者です。おかげさまで評判がよく、電話がつながりにくくなっております。「何時に電話してほしい」とメールで知らせていただければ、その時間にお電話させていただきます。
まだ引越し先のアパートが決まっていない、といった方でも、大まかな引越し先の住所さえわかれば見積もりは可能です。
引越し見積もりでは旧居から新居までの距離によって、運搬にかかる時間や輸送トラックの燃料費を計算しますが、大体の地域がわかれば概算できます。
ただし、引越し作業の日程についてはある程度正確な日付をもらわないとオペレーションが組み立てられないので、早めに候補日をご提示ください。
日中は仕事などで忙しく、夜間に訪問見積もりをしてほしいという方もいると思います。
大手の引越し業者の情報をまとめると、訪問見積もりの時間帯は朝9時頃から19時前後までが一般的のようです。
引越し業者 | 訪問見積もりの対応時間帯 |
---|---|
サカイ引越センター | 8時~18時 |
アート引越センター | 8時~19時 |
※2019年11月時点の情報です。時間帯は変更されている可能性もあるためご注意ください。
どうしても深夜にならないと暇が出来ない、という人は訪問見積もりをしてもらうのが厳しい可能性もあります。
引越し業者へ事情を相談するか、もしくは電話で引越し見積もりを依頼するという手段を取ると良いでしょう。
取り急ぎ自分の料金相場を知りたい!という方は、引越し見積もりシミュレーションなどを利用して料金を概算するのもおすすめです。
見積もりに訪れたスタッフに対して、お茶(飲み物)は出しても出さなくても構いません。
お茶だしのタイミングは、営業担当者が机で見積書などを書いている時が最適でしょう。
飲み物を出す際はペットボトルで用意をすると、依頼者も後片付けの手間が省けますし、営業担当者が飲みきれなかった場合に持ち帰ることができておすすめです。
お茶請けのお菓子などは、「お客さんの前では食べづらい」と逆に気を遣わせてしまうので不要です。
一人暮らしの女性は、訪問見積もりで男性の営業担当者を自宅にあげることに抵抗を感じるのではないでしょうか?
残念ながら、一部の引越し会社では「レディースパック」といった女性スタッフに搬入出作業をお願いできるサービスがありますが、訪問見積もりを担当する営業マンは圧倒的に男性が多いのが実情です。
たまたま女性の営業担当者のスケジュールが空いていれば依頼できることもありますので、訪問見積もりを依頼する際に頼んでみるとよいでしょう。
また、単身引越しは訪問見積もりなしの依頼方法で進められるケースが多いので、電話やオンラインで見積もりできる業者を探すのがおすすめです。
訪問見積もりの開始~料金の提示は30分程度ですが、見積もり金額だけを伝えて、すんなりと帰る引越し業者は少ないです。
訪問見積もりは引越し業者からすれば「契約をとる絶好のチャンス」ですので、営業トークや料金交渉が始まる場合もあります。
特に、一括見積もりなどで複数社へ引越しの見積もりを依頼した場合には、上記のようにしつこい営業を受けることも覚悟しなければなりません。
引越し業者も契約をとるための営業努力ですので、ある程度は仕方のないことです。
複数の業者を比較しつつ、しつこい営業を聞きたくないという方には「引越し予約サービス」をおすすめします。
予約サービスはWeb上で複数社の見積もり料金を比較して1社を選ぶことができるので、希望の会社とだけやりとりをすればOKです。
一番安い引越し業者を探してかんたん予約
最後に訪問見積もりの準備とポイントをおさらいしておきましょう。
訪問見積もりは料金面・作業内容のすり合わせをおこなう場です。依頼したいことや要望を引越し業者にしっかり伝え、対応してもらえる内容はすべて見積書に記入してもらうことによりトラブルの発生防止につながります。
また、訪問見積もりは引越し金額の金額交渉ができるチャンスです。
価格交渉をするなら、営業担当から金額が提示された後に行いましょう。
価格交渉をする場合は、はっきりと提案するのがおすすめです。
値引きが期待できる交渉方法(一例)
「○○○○円であれば即決します」(その場で即決できる場合)
「御社に依頼をしたいのだけれど、他社の料金は○○○円なのでどうにか調整をしてもらえませんか?」
ただし、そもそも最安値を提示されている場合や、あまりに安すぎる金額を提示した場合は、値引きができないこともあります。
無理な値引きをすると、当日に追加料金がかかる危険もあるので、営業担当者としっかり話し合って金額を決めましょう。
万が一、見積もりをした覚えがないのに見積もりの電話がたくさんかかってきた場合は、一括見積もりサイトに間違えて登録されてしまった可能性があります。
間違いで登録されてしまった場合は、引越し業者にどのサイトで登録されたのか確認し、該当のサイトへ連絡して登録を削除してもらいましょう。
引越し業者に連絡をしても、対応してもらえないこともあるからです。
また、「連絡がつくまで」電話をし続ける業者もいるので、放置したままだと今後も着信に悩まされる可能性があります。
引越し見積もりの間違い電話がたくさんくるのはなぜ?原因と対処法
引越しの見積もり相場と料金は、以下のサービスから確認ができます。
どちらのサービスも、単身・家族どなたでも24時間無料で見積もりの依頼ができます。
また、引越し業者の選び方が分からない人は、料金や口コミ・評判を参考にしてください!サービスの利用後に「引越しの準備やることリスト」もプレゼントしています。
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