節約アドバイザー・和田由貴さんに聞く!スマホを使ってできる、初心者向け節約術とは
「何に使っているかわからないけど、気が付けば全然貯金ができていない」「月末になると毎月金欠……」。
そんな人は多いのではないでしょうか。とはいえ、「節約」ってなんだかわびしくてつらいイメージがあるし、毎月家計簿をつけるのもめんどくさいからと、一歩を踏み出せずにいるかもしれません。
ですが、もし簡単に、楽しみながら節約できる方法があったらどうでしょう。今回は、TVでもおなじみの節約・消費生活アドバイザー和田由貴さんに、初心者でもスマホを使って簡単に始められる節約術についてお聞きしました。
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苦手なら家計簿はつけなくてOK 自分に合ったやり方で節約しよう
――実は私も節約初心者で、やらなきゃと思いながらもなかなか節約できずにいるんです。家計簿も以前つけようと思ったんですが挫折してしまって……。

それに、家計簿もつらいなら付けなくたっていいんです。節約はダイエットと同じで、いろんなやり方があります。毎日ジョギングする人もいれば、糖質制限をする人もいる。「自分はこれならつらくないな」という方法を見つけて、継続することが大切です。
――そうなんですね! 家計簿が苦手な人におすすめな、お金の管理方法はありますか。

また、目的別に口座を分けてもいいと思います。「食費は〇万円」と決めた金額を口座に入れておけば、あとどれくらい残っているかがわかる。それに、通帳を記帳するだけでいつどれだけ使ったかが見えるので、家計簿代わりになります。
使うだけで簡単に節約! おすすめアプリ3選と、スマホではじめる節約術
――和田さんは、レシートをスマホで読み取るだけで家計簿代わりになるアプリ「レシーピ!」の監修もされていますよね。

また、買った食材をもとにレシピの提案もしてくれるので、献立に悩む人にもおすすめですよ。
――レシーピのほかに、気軽に節約に活用できるおすすめアプリはありますか。

また、「Stocard」もおすすめです。これは複数のポイントカードを管理できるアプリで、ポイントカードのバーコード部分を読み取るだけで、スマホの画面上でまとめて管理ができます。
ポイントカードが増えてしまうと、どこにしまったのかわからなくなってしまったり、お財布が膨らんでしまったりするので、こうしたアプリを活用するといいですよ。
――アプリ以外に、スマホでできる節約術はありますか。

あとは、ネットスーパーをよく利用しています。「5,000円以上買えば送料無料」といったように、一定額買えば送料がかからないお店も多いので、重いものなどを買うときにはすごく便利なんです。早いところだと3時間程度で届きますよ。
――そんなにすぐ届くんですね! でも、仕事で帰りが遅くなってしまったときなどに、ちゃんと受け取りができるか心配です。

キャッシュレスの波に乗り遅れるな! お得に使いたいなら今がおすすめ
――最近、大きな話題になっている「キャッシュレス」も、スマホのお得な活用法ではないでしょうか。

私も1年半ほど前から、キャッシュレス決済のサービスをいくつか利用しています。昨年、「PayPay」で支払うと20%還元が受けられるサービスが話題になりましたが、あまりの人気であっという間に終了してしまいましたよね。私も「このチャンスを活用しなければ!」と、ノートパソコンを購入しました。
――初心者にもおすすめなキャッシュレス決済サービスはありますか。


節約のファーストステップは、まず「固定費の見直し」から
――節約を成功させるコツはありますか。

そこで私がアドバイスしているのが、まず「固定費」の見直しから始める、ということです。通信費や保険料などを見直しても、生活の質が著しく損なわれることはありませんよね。だけど、月々の支出に占めている割合は大きいので、少しのがんばりで成果が出ます。
成果が目に見えると、それがうれしくて「もっとがんばろう!」とやる気が出ます。「今度はマイボトルを持参して、毎日のコーヒー代を節約しよう」といったように、節約へのモチベーションも上がるかもしれません。そうやって少しずつレベルアップしていけば、楽しみながら節約することができます。
――和田さんは、通信固定費をどのように節約されていますか。

「フリータンク」とは?
全国のユーザー同士でパケットをシェアし合えるサービス。余ったパケットをタンクに入れておいたり、パケットが足りなくなったときにほかのユーザーから無料で最大1GBのパケットを分けてもらえる。

――月6千円だとして、1年間で7万円以上もお得になるんですね!

その支出は本当に妥当? 自分でやってみたら〇万円お得に
――ポジティブに節約を楽しめるのはいいですね。和田さんは、こうした節約法やお得な情報を、どのように集められているのでしょうか。

例えば、車の名義変更や不動産登記の手続き。ディーラーや司法書士の方に任せると、それだけで数万円かかりますが、自分でやってみると意外に簡単にできて、費用も数千円程度です。このように、自分でできないのかを一度考えることで、無駄な支出を抑えることができます。
――他に挑戦してよかった節約術はありますか。

▲バッテリー交換時の様子

もちろん、非正規に修理してしまうとApple Storeで修理してもらえなくなるなどのデメリットもあるので、それを理解したうえで挑戦する必要はあります。
――挑戦した結果、うまくいかないこともありますか。

洗濯「できない」という表示の服でも、やってみるとうまくいくことも多いんですよ。例えば、一度ファーの襟巻を自分で洗ってみようと思って。だって、ファーはもともと動物の毛じゃないですか。犬だってシャンプーできるんだから、できないはずないと思ったんです。
だけど洗っている途中、すごくしぼんできてしまって。もう無理かと思ったんですが、そのあとドライヤーをあてたらフワッフワになりました。こういう成功には、すごくテンションが上がります。
――これまで実践した中で、反響があった節約術があれば教えてください。

ティッシュって、ちょっとだけ手を拭きたいときときやお化粧を直したいときなど、「一枚だと大きすぎるな」ということがありますよね。でも、一枚でしか取り出せなければ、それを使って捨ててしまうしかない。だけど半分の大きさにしておくことで、ちょうどほしい量を取り出すことができるんです。便利に使えて、ティッシュの減りも遅くなるので、これはおすすめです。
楽しく貯めて、「生きた」お金の使い方をする
――楽しみながらさまざまな工夫をされているんですね。節約したお金は、どのように使われていますか。

例えば、旅行に行くときには、どうすればお得に行けるかを考えます。ツアーに申し込んだら3万円かかるアクティビティを、現地のサービスを調べて安く申し込む。それで浮いたお金で、家族でおいしいものを食べられたらハッピーですよね。
また、最近、家を建てようと考えています。ただ、お得にできる方法がないか一つひとつ調べていたらきりがなくて。完成するのはいつになるんだろう、と気が遠くなっています(笑)。
――和田さんのお話をうかがっていると、節約がすごくポジティブなものだと感じられます。最後に、これから節約を始める人たちに向けて、メッセージをお願いします。

【profile】和田由貴さん
日本女子大学家政学部卒業。
消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。
また、環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員でもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。
「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。
Twitter: https://twitter.com/wadayuki
Instagram:https://www.instagram.com/wadayuki/
(取材は2019年10月9日 東京都・品川区にて)
Soldi編集部は「おうちのお金をスマートに」をコンセプトにコンテンツの配信を行っています。