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不動産ライター兼不動産経営者 監修 中村裕介 宅地建物取引士、保育士
不動産一括査定とは、どのようなサービスなのでしょうか。
不動産売却または不動産査定について調べていると必ずと言っていいほど出てくる「不動産一括査定」というキーワードですが、実際に理解している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、以下のような疑問や質問にお答えします。
この記事ではこんな悩みを解決します!
- 不動産一括査定ってなに?
- 不動産一括査定は不動産売却に必要なの?
- 不動産一括査定をしたら会社から売り込み電話が来そうだけどどうなの?
この記事では、不動産一括査定の概要について解説した上で、不動産一括査定のメリットとデメリット、そして不動産一括査定を活用する際の具体的な流れについて解説していきます。
この記事を読めば、不動産一括査定を利用すべきかどうかがわかり、また実際に不動産一括査定を活用するには、これからなにをどうすればよいのかが明確になります。
不動産一括査定とは
不動産一括査定とは、1回の申込で複数の不動産会社に査定を依頼できるインターネットサービスです。
不動産一括査定サービスを提供するサイトは「不動産一括査定サイト」と呼ばれています。
利用方法は、サイトで売却予定の不動産の情報を入力するだけなので、初めて利用する人でもかんたんです。
複数の不動産会社に査定を依頼したほうが良い理由
不動産一括査定は、複数の不動産会社から効率的に査定価格を入手できる方法です。
そもそも、なぜ複数の査定価格が必要なのでしょうか。
その理由は、複数の不動産会社の査定価格を比較することで、それぞれの不動産会社が出した査定価格が適切かを判断することができるからです。
各社が出す査定価格は同じではありません。
不動産会社が査定する際、多くの会社では「取引事例比較法」という方法で査定価格を算出しています。
これは、過去の不動産の成約事例から、売却する予定の物件と物件種別やエリア、面積など似た条件の事例をいくつかピックアップして平均化して、売却予定物件がいくらで売れるかを判断する手法です。
どの事例を参考にするかは、不動産会社によって異なります。
1社だけの査定の場合、参考にした事例によっては偏りが出てしまう可能性があります。
このため、複数の不動産会社からの査定が必要になります。
また、複数の不動産会社の査定価格を比較することで、悪質な不動産会社を回避できるメリットもあります。
悪質な不動産会社については、次章「不動産一括査定のデメリット」で詳細をお伝えします。
まずは、不動産一括査定の種類について押さえておきましょう。
不動産一括査定は「机上査定」と「訪問査定」の2種類がある
不動産一括査定は机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定は、不動産の物件種別、エリア、築年数、面積、駅からの距離等の基本情報をもとに取引事例比較法を用いて計算されます。
現地を見なくてもおおよその結果がすぐわかるのが机上査定の特徴です。
訪問査定は、不動産会社のスタッフが実際に売却する不動産を訪問して、現地の状態を確認する方法です。
現地を見て、より正確な査定価格を出すのが訪問査定の特徴です。
査定の種類は売主が決めることですが、実際、不動産を売却する予定がある場合、訪問査定は必須です。
また一般的には、不動産一括査定サイトを利用して机上査定を申し込んだ後、訪問査定を依頼することが多いため、不動産一括査定サイトについては確認しておきましょう。
不動産一括査定サイトの利用は無料
不動産一括査定サイトの利用は無料です。
不動産一括査定サイトの運営会社は、提携している不動産会社からサイト掲載料や情報料など何かしらの形で料金を受け取ってサイトを運営しています。
このため、不動産の売却を検討している人たちは、費用を負担することなくサービスを利用することが可能なのです。
不動産一括査定の3つのデメリット
これから不動産売却する人にとって便利な不動産一括査定サイトですが、デメリットも存在します。
どのようなデメリットがあるのか確認していきましょう。
①契約のために高めの査定を行う業者もいる
不動産一括査定によって複数の会社から査定価格が送られてきますが、会社によって多少のバラつきがあるのは当然です。
しかし、中には契約をとるため、わざと市場相場より高めの査定価格を提示してくる不動産会社もいます。
このような会社は、契約後にしばらくしてから売主に対して「現在の販売価格では売れないので値下げが必要です」と、市場価格より安い値段への値下げを持ちかけてきます。
査定価格とは、不動産会社が「この不動産ならおそらくこの価格で売却できるだろう」という不動産会社が予測した売却価格に過ぎません。
売主の不動産の知識が少ない場合、プロがつけた査定価格だから高ければ高いほど良いと考えて、一括査定サイトで送られてきた査定結果から、もっとも高い査定価格を出した会社を選びがちです。
大切なのは査定価格の高さではなく、査定価格が妥当かどうかでです。
そして、不動産会社を選ぶ上で重要なのは、査定価格の根拠を明確に説明できるかどうかです。
査定依頼をする際は、不動産会社は、査定価格で売却することを保証しているわけではない点を留意しましょう。
現在では不動産一括査定サイト運営側や不動産会社の努力もあり、明らかにおかしな価格提示するケースは多くありませんが、そういう可能性があることは覚えておきましょう。
②都市部以外は査定対象外となる可能性がある
不動産一括査定サイトは、全国すべての場所に対応しているわけではありません。
そのため、地方の郊外にある不動産などの場合、査定対象外となる可能性があります。
不動産一括査定サイトは数多くあり、査定対象としている地域にも違いがありますので、もし自分の不動産が査定対象エリア外であった場合は他の不動産一括査定サイトで確認してみましょう。
③一括査定で依頼できるのは登録されている不動産会社だけ
勘違いしやすいポイントですが、不動産一括査定で査定依頼できるのは、サイトに登録されている不動産会社だけです。
一括査定という言葉のイメージから、まるで全国すべての不動産会社に、自分の不動産の査定を依頼したと思い込んでしまうケースがよくあります。
一括査定サイトを利用する場合は、この点を踏まえて、必要に応じてその他の一括査定サイトでも依頼するか、地元の不動産会社に依頼することで、より売れる可能性の高い査定価格を予測することができます。
不動産一括査定の3つのメリット
ここまでは不動産一括査定のデメリットについてお伝えしてきました。ここからは、不動産一括査定のメリットについてお伝えしていきます。
①たくさんの会社に一括で査定を依頼できる
不動産一括査定で査定を行う上で一番のメリットは、たくさんの会社に一括で査定を依頼できる点です。
不動産一括査定サイトを使わない場合、不動産会社一つ一つに対して個別にコンタクトを取る必要があります。
同じ依頼内容をその都度伝えるのは手間と時間がかかり非効率です。忙しい人には特に不動産一括査定サイトは向いていると言えるでしょう。
②おおよその価格相場を簡単に知ることができる
不動産の売却には、売却する予定の不動産の販売価格を決める必要があります。
販売価格の設定のためには、不動産のプロである不動産会社が予測する査定価格が参考になります。
不動産一括査定サイトを利用すると、参考となる査定価格を簡単に集めることができて、価格相場を簡単に把握することができます。
③不動産会社選びに活用できる(比較しやすい)
不動産一括サイトの便利な機能は、価格相場を把握できるだけではありません。
複数の会社からの査定価格を一度に比べることができるので、不動産会社を比較しやすく、どの会社に売却の仲介を依頼するか、売却のパートナー選びにも活用できます。
見るべきポイントは、不動産会社のスタッフの対応です。
具体的には、査定価格の根拠を明確に説明できるか、メールのやり取りでの対応、電話や訪問査定の際の言葉遣い、不動産の知識など様々なものがあります。
が、こちらの些細な質問にも誠意を持って的確に対応してくれるかが一番大きなポイントです。
査定依頼の段階から、契約相手を選ぶという意識を持って不動産会社と交渉しましょう。
不動産一括査定サイトの使い方と流れ
ここからは、不動産一括査定サイトの基本的な使い方とその後の流れについて解説していきます。
- 不動産一括査定サイトから基本情報を入力する
- 取り扱いが可能な不動産会社(複数)から机上査定の結果が来る
- 複数の査定の中からいくつか選んで訪問査定を依頼する
- 訪問査定の結果をもとに媒介契約する会社を選ぶ
①不動産一括査定サイトから基本情報を入力する
不動産一括査定サイトの使い方は簡単です。
不動産一括査定サイトのトップページから、売却予定の不動産情報を入力するだけです。
サイトによって入力内容は若干異なりますが、主な入力内容は、以下の通りです。
- 物件種別(土地かマンションか一軒家かなど)
- 所在地
- 面積
- 築年数
- 物件と依頼者の関係(物件の名義人か、名義人の家族か、共有名義かなど)
- 依頼者の基本情報(氏名、年齢、住所、電話番号、メルアド等)
- 査定方法(机上査定を希望するか、訪問査定を希望するか)
- 要望欄
入力自体は10分もあれば完了します。
おすすめの不動産一括査定のやり方は、机上査定でいくつかの会社から査定結果を得た上で、その会社で対応の良かった数社に訪問査定を依頼する方法です。
②取り扱いが可能な不動産会社から机上査定の結果が来る
不動産一括査定サイトから机上査定の依頼をすると、取り扱い可能な複数の不動産会社から、早ければ当日、遅くても数日中には机上査定の結果が、電話もしくはメールで連絡されます。
この際、もしも電話での連絡を避けたい場合は、備考欄に
「査定の連絡は電話ではなくメールでお願いします」
などといった文章を記載しておきましょう。
100%要望が通るわけではありませんが、融通が利く場合があります。
③複数の査定の中からいくつか選んで訪問査定を依頼する
複数の机上査定の中から、3社程度を選んで訪問査定を依頼しましょう。
訪問査定を行う日時はこちらで指定することができます。
訪問査定の前に以下のような資料を持っていれば、訪問査定がスムーズに進行します。
- 購入した時の売買契約書や重要事項説明書
- 権利書、(マンションであれば)マンションの規約書
- 物件の図面が載っている購入時の販売パンフレット
また訪問前に、用意してほしい書類を不動産会社から指定される場合もあるので、指定があればそれらの書類も用意しましょう。
訪問査定の内容は物件の確認と、なぜ売却するのか、売却への決意はどのくらいかといった売主へのヒアリングが中心です。
訪問査定の結果は、訪問後、約1週間前後で連絡が来ます。
④訪問査定の結果をもとに媒介契約する会社を選ぶ
複数社からの訪問査定の結果が揃ったら、査定結果と、それまでの不動産会社の対応をもとに、媒介契約を交わす会社を選びましょう。
選ぶポイントは「不動産一括査定のメリット③」で解説した通り、不動産会社のスタッフの対応全般です。
訪問査定の後には、それぞれの会社から連絡が来ます。
選ばなかった会社に対しては、しっかりと他の会社に決めた旨を伝えましょう。
一番良くないケースが「検討中です」などと言葉を濁してハッキリと断らないことです。
そうすると選ばなかった不動産会社から、再度の確認の連絡をしてくるなど、お互いにとってムダな時間を作ってしまいます。
訪問査定まで依頼しておいて断るのは心苦しい気持ちはわかりますが、不動産担当者にとっては断られることは当たり前のことです。
変に気を使った言い回しではなく、ストレートに断る方がお互いのためになります。
まとめ
それでは、不動産一括査定についてまとめていきましょう。
記事のおさらい
- 不動産一括査定とは、インターネットサイトから複数の不動産会社に査定を依頼できるサービス
- 複数の不動産会社に査定を依頼する理由は、査定価格が偏らないようにするため
- 不動産一括査定は机上査定と訪問査定の2種類あり、机上査定→訪問査定のやり方がおすすめ
- 不動産一括査定サイトの利用は無料
- 不動産一括査定のデメリットは、競争に勝つために高めの査定価格を出す会社の存在と、査定範囲外の場合は査定されない点
- 不動産一括査定のメリットは、一度にたくさんの会社に一括で査定を依頼できる点、価格相場の把握に便利な点、仲介依頼する不動産会社選びに役立つ点
記事では、不動産一括査定のデメリットについても言及しました。
しかし、筆者である私からすると、これらはそこまで深刻なデメリットではありません。
無料で利用できるツールであり、効率的に複数の不動産会社に査定依頼できるメリットは大きいです。これから不動産売却する人はぜひ活用していきましょう。
複数の不動産一括査定サイトに査定依頼することはもちろん、不動産一括査定だけにこだわらずに、並行して地元の不動産会社にも査定を依頼するのも良い方法です。
様々な情報を集めた上で、総合的に判断しましょう。
今回の記事内容が、不動産一括査定の仕組みの理解と、不動産一括査定サイトを活用する上でお役に立てば幸いです。
不動産ライター兼不動産経営者 監修 中村裕介 宅地建物取引士、保育士
1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。 商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆中。 趣味はフットサル、旅行、読書。美容と健康のために毎日リンゴ人参ジュース飲んでます。